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VOL 31 発行日:2023.2.27
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サブリース契約は、「部屋の管理」「安定した賃料収入」が得られるというメリットがあり、賃貸経営で多く利用されています。しかし、このサブリースが悪用されています。

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スルガBKの不正融資で使われた悪用手口

Aさんは、絶対損をしない不動産投資と紹介され、H社から奈良県の一棟マンションを総額18千万円で契約しました。「家賃月150万円の30年間サブリース契約です。安心して預金通帳だけみてください」と言われました。
契約後半年間は、問題なく家賃が振り込まれていましたが、突然家賃の支払いが止まってしまいました。H社に何度も電話をしましたが、なかなか繋がりませんでした。ようやく連絡が取れたが、少し遅れていますと言われるだけでした。そして数日突然サブリース契約を解除するという一枚の郵便が届き、それ以降H社と連絡が取れなくなってしまいました。

調べてみたら

Aさんが奈良の物件を現地で管理している会社に初めて行って聞いたところ、実際の家賃は120万円で、しかも空室があり家賃収入は90万円しかありませんでした。これではローンも払えません。地元の不動産会社からこの一棟マンションの実際の価格は1億程度であったことも聞かされました。
H社は、この売買で数千万円の利益を得るために、半年だけ、逆ざやでサブリース家賃を払って騙していたのです。

同様の被害を受けたと多くのひとから相談があり、調べると全て同じ手口でした。H社の住所はなく、不動産業の免許も取り消されていました。ところが、全く別の社名で同じような手口で不動産売買をしていました。ここでも同じ手口で騙された被害者がでてきて、また会社は無くなっていました。

再び被害者がでました

今年に入って、また同じような被害者が毎週のように相談にこられるようになりました。すで5人の方から相談がありました。手口は全く同じです。元H社の社長は否定しているようですが、元H社の役員であったということです。

被害に遭わないために

「取引の基本を守る」につきます。詐欺かどうかは簡単にはわかりません。ただ実際に投資したい物件があれば自らの足で、歩いて複数を不動産会社や近隣の人に聞いて調べることです。スルガ銀行の不正融資で被害にあった数十人の人の話を聞いてみますと、ほぼ全員が自身の足で調べていませんでした。

関連資格:認定サブリース建物取扱主任者