「不動産投資」と聞くと、あなたはどのようなイメージを持っていますか?

・難しそう
・不安
・リスクが大きい
・お金がない

こういった声が大半かと思います。
私自身も興味はあるものの、実際に手は出せていません。
では、投資といえばみなさん何をされているのでしょうか?

 

一般的に投資されている商品の種類は?

現在運用している投資は何ですか?とのアンケートに以下のような回答が集まりました(複数回答可のため重複あり)

・投資信託:65%
・株式投資:60%
・暗号資産:15%

 

投資用不動産の購入検討は?の質問には

 

・ない:80%
・ある:20%

 

という結果になっています。
全体の2割の人しか投資不動産を検討していないということになります。

 

投資用不動産に手を出さない人、その理由は?

投資用不動産に手を出さない理由として以下の意見がありました。

・リスクが高そう
・不動産知識がない
・投資額が高い
・やらない方がよいとよく聞く

 

自分は不動産の知識もないし、手元に資金もない、と言う方は以下のような不動産投資に興味を持ちます。

・プロのアドバイスがもらえる
・手元資金がなくても投資がスタートできる
・管理の手間もプロに任せることができる

といったメリットから、ちょっとやってみてもいいのではないか、というケースが多くなっています。

このようなケースは現在30代~40代の会社員の方が多く、将来を見据えた年金代わりとして不動産投資を始めるという方がほとんどです。

一般社団法人投資不動産流通協会理事長の井上様のお話

そこで今回は、一般社団法人投資不動産流通協会 理事長の井上様にお話を伺いました。

不動産投資をやっていい人・やめた方がいい人、そして投資不動産で実際に会ったトラブル事例をご紹介します。

 

■不動産投資をやっていいのはどのような場合でしょうか?

 

最近自己資金0円で始められる不動産投資のセミナー等がございますが、これは注意してください。

もちろんフルローンそのものは悪ではないですが、自己資金がないならやめておきましょう…ということです。

自己資金の目安としてはこれから運用する賃料×5ヶ月分が最低額、諸費用や税金を含め、1年分の賃料が手元にない場合は失敗リスクが高いです。

不動産投資の怖いところは、投資スタート後、一定の賃料が入ってくるためにローンを組んでもプラスになるように見えるという点です。

考えてみてください。
500万円の株を買って投資するために借金しますか?
しないと思います。

投資不動産にも空室リスクがあり、購入費用の他に管理費・修繕費・固定資産税が発生します。
そのため購入後の運用資金があるかないかが重要なのです。
売買代金の大きさは自己資金と関係ありません。

また、マンション1棟運用することは会社の経営と一緒です。
不労所得などあり得ません。
物件の定期的なチェックは必要ですし、入居者トラブルにも対応する必要があります。

その点、サブリースは非常にいいシステムです。
面倒な管理を一切任せて、その分管理費を多く支払うという内容はとても魅力的です。

ただし、仮にサブリース契約が外れた時に「自分で運営できるか」が重要です。
以下のケースでお話ししますが、急にサブリース会社がなくなってしまった時、その物件をご自身で維持できるでしょうか?

それができずにただお任せで楽をしたい、ということであればサブリースは危険なのでやめておきましょう。

 

■投資不動産取引で大きなトラブルを3事例教えてください

 

ケース1.まずは消防法違反物件です。
特定建築物は2ヶ所避難口が存在しなければいけないのですが、それがありません。
古い物件ではなく新しい物件なのですが、事務所を居住用として貸し出しているためです。
また、5階建てなのに屋上に40平米の建物を申請なしで建て、6階建てとしているため、建蔽率違反になっています、。

このような物件を黙って投資家に販売しており、管理会社スルガ銀行と繋がっているとのことでした。

売る方も買う方も知らない、というこの状態は現在でもかなりの数が存在しているようです。

 

ケース2.耐力壁を抜いた物件を販売しているケースです。

雨漏り等の修繕をしたら、耐震上の問題をチェックする必要があるのですが、入居者・売主共に耐震不足なのを知らない状況です。
実際にはリノベーションをして壁を取り払った工事だったのでしょうが、耐震構造上必要な壁まで取ってしまっていたというケースです。

このような物件を販売したとしても、ローンを提供する金融機関には責任がないため注意が必要です。

 

ケース3.サブリースでの未払いトラブルです。

富山県の築42年の物件で、そのマンションは常に半分程度の空室があったのですが、サブリースで満室に見せかけていました。

そして半年後、突然会社が消えてしまいました。
そのまま家賃は支払われることなく、オーナーは半分以上空室の物件を抱えて大赤字になってしまったのです。

ここでお話しいただいた事例はほんの一部です。
建物の構造や収益に関する内容は取引する前に入念に確認しておかないと、投資商品そのものが欠陥品ということになってしまうため、注意が必要です。

 

■「投資不動産販売員」の資格について「投資不動産取引士」と何が違うでしょうか?

根本的に内容が違います。
投資不動産販売員は法律のおさらいをするもので理論を身につけるためのもの。
対して投資不動産取引士は実務に強く、取引におけるヒアリング内容であったり売る人買う人に何を伝えるかを書面化するための技術を身につける資格になります。

 

■投資不動産取引士の資格を取得されている方へ相談するメリットはありますか?
投資不動産流通協会は不正融資の会社とは取引をしていません。
まだまだニュースで不正融資問題が話題になっていますが、投資不動産の専門家として適正な取引を行うためのご相談に乗ることができます。

投資不動産流通協会資格制度のみならず、投資不動産専用の書類、投資不動産売買サポートツール、研修会など、さまざまな商品・サービスで、不動産企業様を支援しています。

 

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