太陽光発電安全保安協会 室田正博代表理事

住宅・不動産業界のキャリアアップサイト「不動産ココ」に掲載されている資格の生まれた背景や魅力などを、主催する団体トップに聞く「トップインタビュー」。 一般社団法人 太陽光発電安全保安協会の室田正博代表理事に「太陽光発電メンテナンス技士」について語ってもらった。

■この資格はどのような経緯で生まれたのか?

2012年7月に日本で再生可能エネルギーによって発電した電気を国が買い取る、いわゆるFIT制度が始まり、直後から住宅用だけでなく事業用の太陽光発電設備も飛躍的に増加しました。
しかし、設備の維持管理、保守点検の面ではおろそかにされる設備が大変多くなっていることに危惧を感じ、2014年4月に一般社団法人太陽光発電安全保安協会を設立し、同時に「太陽光発電メンテナンス技士」の資格を認定する講座を立ち上げました。

■資格の魅力や資格の活用法の場は?

太陽光発電設備のメンテナンスの必要性は一般的にはあまり浸透していません。業界的な営業構造の問題もあり、太陽光発電は『メンテナンスフリー』であるというイメージがついてしまったことも大きな理由だと思います。
しかし、近年では設備を維持していくためにはメンテナンスが必要不可欠であることがようやく知られてきました。
この資格を取得するには資格認定講座を受講していただき、確認テストに合格する必要があります。講座では太陽光発電全体の基礎的な知識からメンテナンスのノウハウ、トラブル事例などメンテナンスに必要なことをトータルに学ぶことができます。
太陽光発電の設備は全国に300万件以上ありさらに増加傾向にありますので、そうした現場での活用が期待できます。

■資格の今後の展望について

FIT法自体は毎年度、大小の改正が行われます。その改正の内容・情報をしっかり取得し、いかに業務に反映するかがメンテナンス事業者にとって非常に重要になるのですが、行政の発信する情報はなかなか一般国民には届かないことも多いのです。これからはそういった情報を迅速かつ正確に取り込むことが大切です。協会ではいち早く情報を資格取得者に発信しています。
また、これから本格的にメンテナンス事業に取り組んで行こうとされる事業者向けの『開業支援セミナー』やその他各種情報交換会、セミナーなども企画し資格取得者の方のフォローアップをしていきます。

■資格取得を考えている方へのメッセージ

太陽光発電のメンテナンスというと、電気の知識が必要なのではないか、など難しく思いがちですが、もちろん知識はあるに越したことはありませんが、電気の知識そのものよりトラブル・故障を起こさせないためのナレッジがより重要です。
「太陽光発電メンテナンス技士」の資格取得を是非ご検討ください。

■その他、団体の活動は?

太陽光発電設備のトラブルや不具合の事例などを集積・研究し、「太陽光発電現場不具合事例集」という書籍を出版しています。
その他SDGs活動にも積極的に参画し、外務省のSDGs取組事例として紹介されています。

 

(2021/8/31)

「太陽光発電メンテナンス技士」資格詳細ページ