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VOL 30 発行日:2023.2.20

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NBC日本橋ビジネス資格教育センター ニュース・豆知識

ブロック塀の倒壊による責任

「日本の家は、なぜ高いブロック塀で囲まれているの」と言われるように、住宅のブロック塀は、外国人から見ると異様です。
ブロック塀は、大きな地震で倒壊する危険性があります。これまでも何度も、地震による倒壊の下敷きになって亡くなった方がおられます。最近では2018年大阪北部地震で倒壊した小学校のブロック塀で小学生がなくなりました。この責任は寝屋川市に責任が問われることになったようです。

タイルの剥離による人身事故

ブロック塀より多いのが、マンションのタイル剥落落下事故です。最近では20195月横浜、20199月舞鶴。20207月前橋であった事故がNewsで取り上げられました。それ以外にも人身事故にはならなかった剥落事故はこの何倍もあります。私共の事務所には、毎月のように相談があります。
この事故により、人身や器物に損傷を与えた場合は、717条により建物の占有者・所有者に責任があります。マンションの場合は、管理会社や建設会社ではなく、管理組合に責任が問われます。

民法第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)

「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」(民法第717条)占有者・所有者が無過失であっても、自然災害が原因であったとしても責任があります。
例えば、積雪が屋根から落ちて通行人がなくなった場合、台風により樹木が倒れて被害を与えた場合も、占有者・所有者に損害賠償責任があります。台風が過去に例がないほどの巨大であった場合には、責任が免れる例もあるようですが、基本的には自然災害であっても責任は残ります。

定期的な点検を

そこで、マンションのタイルについては、10年毎の検査をするように建築基準法12条で義務化されています。この法律は管理組合でも知らない人が多いようです。コンクリートのブロック塀は、できるだけ早く他のものに取り替える必要があります。庭の樹木も大きくなったら伐採か強剪定が必要です。
この責任は、所有者ではなく借りている占有者にもあります。賃貸で住まわれていても危険を感じたら大家さんか管理会社に相談する必要があります。

関連資格:建物検査士