宅建試験がいよいよ目前に迫りました。
試験直前のこの時期は、不安や緊張が高まる一方、最後の追い込みで得点力を伸ばすチャンスでもあります。

模擬試験の活用法から本番直前の過ごし方、当日メンタルの保ち方まで、直前期ならではのポイントをまとめました。
どれも残りわずかな期間でできる工夫ですので、ぜひ取り入れて万全の状態で試験本番に臨んでください。

痛恨のミスは
模擬試験の繰り返しで防ぐ

直前期には模擬試験を積極的に活用しましょう。
と言えば、当たり前に聞こえますが、一番の目的は試験本番のシチュエーションに慣れるため。

 

模擬試験は時間・問題数ともに本番と同じ50問・2時間で実施し、自宅でも静かな環境で本番さながらの緊張感を再現してみてください。
もちろん、スマホの電源もオフに。

実際にやってみると時間配分の難しさや集中力の維持など、模試を受けてみないと分からない課題も見えてきます。

 

模擬試験では受験票に記載の氏名・受験番号を書く練習までしておくのもおすすめです。
試験当日は緊張で頭が真っ白になりがちですから、名前を書く作業一つとっても侮れません。

実際、私の知人でも「名前、受験番号を書き忘れたために不合格になった」という人がいました。
こうしたミスを防ぐためにも、模試から氏名欄の記入を徹底し、書いた後は指差し確認する習慣をつけておきましょう。

 

マークシートの練習も非常に重要です。宅建試験はマークシート方式のため、一問でもマーク位置がずれると後ろのすべての答案が連鎖的にズレてしまうリスクがあります。
焦りからマークミスが生じ、実力十分でもマークシートのズレによるミスで不合格になる受験生が毎年数多く存在するとも指摘されています。

 

 

模試の段階でマークシートへのマーク方法を体で覚え、1問塗り間違えたら即座に気づいて修正できるよう訓練しておきましょう。
5問ごとにマーク位置をチェックしたり、最後に全問ずれなく塗れているか見直す癖をつけると安心です。

最後の問題までたどりつけば、
安心感がやってくる

試験当日は時間内に最後の問いまでたどりつくことを意識してみてください。

 

全問回答を埋められると、それだけでホッと安心感が生まれ、最初は分からなかった問題も落ち着いて見直すと解けることがあるのです。
全体を通してから見直すと他の問題文からヒントを得たり、冷静になって答えがひらめいたりすることがあります。

模試でもこの時間配分の練習をしておきましょう。
50問を一通り解き終えるペース配分を身につけ、余った時間でマークミスや難問の見直しができると理想的です。

 

仮に残り時間がなくなってしまっても、とにかく白紙の解答欄を残さないことが大切です(マークし忘れは得点0になってしまいます)。

飛ばした問題も最後の数分で勘でもマークしておけば、当たる可能性はゼロではありません。
一つでも「できた問題」を増やし、自分は大丈夫だと気持ちを落ち着けていくことが本番では重要です。
分からない問題に引きずられるより、「よし、この問題はできた」と思える箇所を積み重ねるほうが精神的に安定します。

 

解釈の仕方次第で、試験問題も敵ではなく味方に感じられるはずです。

試験直前日は「いつも通り」過ごす

あるトップアスリートが語った有名な心構えに「本番直前こそ特別なことはしない」というものがあります。

 

試合や大会の前日はルーティンを崩さず普段通り過ごし、特別に気負うことを避けるという意味です。
宅建試験の前日も同様で、ゲン担ぎのために普段食べないカツ丼を食べたり、高級なお刺身を奮発したりするのは控えましょう。
人によってはそうした慣れない食事で体調を崩してしまい、試験当日に実力を発揮できなくなる危険があります。

また、「120%の力を出そう」と肩肘を張っても人間なかなか出せるものではありません。
むしろ緊張しすぎて普段の実力(100%)さえ発揮できなくなっては本末転倒です。

「8割の力でいければ合格できる」くらいのリラックスした気持ちで臨むことを意識してみてください。
特別視しすぎないことで平常心を保ち、自分のペースを崩さないことが大事です。

「命までは取られない」—失敗を恐れすぎない

試験直前や当日の極度の緊張を和らげるために、メンタル面での割り切りも必要です。

長野さんが心に留めていたのは「試験に失敗したところで命まで取られるわけじゃない」という考え方でした。
どんなに答案で間違えても命に関わるわけではありませんし、0点を100回取ったって死ぬわけではない、と敢えて楽観的に開き直ってみるのです。

こうした割り切りは、本番直前だけでなく試験後の自己採点時にも有効です。
全力を尽くした自分を過度に責めず、「ダメでも死ぬわけじゃない、次がある」と自分に言い聞かせましょう。
結果が出るまでの不安な期間も、命まで取られるわけではないと考えれば少し気が楽になるはずです。

できた問題を数えて緊張をコントロール

試験本番中は自分のメンタルコントロールも合否を左右します。

 

難しい問題が続いて解けないと焦りがちですが、そんな時こそ発想の転換です。
「できなかった問題が◯問もある…」ではなく「これだけの問題が解けた」とポジティブに数えましょう。

 

自分がこれまで培ってきた知識や、過去に解けた問題(成功体験)を思い出すことで試験中でも「自分はできる」という気持ちを取り戻すことができます。

具体的なテクニックとして、問題用紙にチェックマークを付けておき「解けた問題」「自信のある問題」が増えていくのを視覚化する方法があります。
一問一問できるたびに「よし」と心の中で声をかけ、自分を励ましながら解き進めてみてください。
たとえ飛ばした難問があっても、それに引きずられて他の問題まで崩れるのを防げます。

まとめ

試験直前期は知識面の総仕上げはもちろん、今回紹介したような実践的な対策やメンタル調整も合格への鍵となります。

模擬試験で本番環境に慣れ、凡ミスを潰しておくこと。
全問に目を通し見直しの機会を確保すること。
前日はいつも通り過ごし、当日は肩の力を抜いて臨むこと。
そして「人生を懸けるほどではない」とリラックスし、ポジティブ思考で自信を持って解くこと。

 

これらを心がければ、直前期の不安も和らぎ、実力を最大限に発揮できるでしょう。
最後まで諦めず、自分を信じて頑張ってきた自分を信頼し、本番に挑んでください。健闘を祈ります!

 

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著者

株式会社モデスティ|代表取締役 長野 卓将

株式会社リクルートにて住宅情報誌「SUUMO」の営業・マネージャーを20年以上歴任。
大手から中小まで、首都圏・地方を含む多様な不動産会社を担当。
その後、2012年に株式会社モデスティを設立。ロープレ観察と実践指導で数千人以上の成長を後押し。

 

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住宅新報主催セミナー登壇、同紙・Webでの掲載のほか、不動産関連メディアからの引き合いも多数。
誠実で成果の出る営業の普及をライフワークとする。

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