近年、資格試験や検定試験において、CBT(Computer Based Testing)方式が導入されるケースが増えています。

新型コロナウイルスの流行以降、従来の筆記試験に代わる新しい試験方式として、CBTで試験を実施する資格・検定がここ数年で増加傾向にあります。
英検やFP(ファイナンシャルプランナー)などの試験もその一つです。

「CBT試験って何?」「従来の試験方式とどう違うの?」「カンニング対策はされているの?」
この記事では、そういったCBT試験についての疑問を解消すべく、詳しく解説いたします。

主な試験方式の種類と特徴

試験にはさまざまな方式があり、受験者の利便性や公平性を高めるために導入されています。主な試験方式は以下の通りです。

 

  • 筆記試験:紙とペンを使用して会場で受験する従来型の試験方式。解答は手書きで記入し、採点には時間がかかる傾向があります。
  • CBT(Computer Based Testing):コンピュータを使用して試験を受ける方式。試験会場に設置された端末で解答します。
  • IBT(Internet Based Testing):インターネットを通じてオンラインで受験する方式。自宅で受験可能な場合もありますが、不正防止のための監視システムが導入されています。
  • PBT(Paper Based Testing):紙媒体を使用する試験方式で、筆記試験と同様に従来から広く採用されています。

不動産資格における試験方式の現状

不動産関連の資格試験では、宅地建物取引士(宅建)や管理業務主任者などが筆記試験で実施されてきました。
しかし、利便性向上のためにCBT方式の導入が進んでいます。

例えば、賃貸不動産経営管理士試験では、特定の期間内に複数の日程から選択して受験できるCBT方式が採用されており、受験者に柔軟なスケジュールが提供されています。

CBTとIBTの違い

CBTとIBTは、どちらもコンピュータを利用する試験方式ですが、以下のような違いがあります。

 

項目 CBT IBT
受験場所 指定された試験会場 自宅や指定会場
監視方法 会場スタッフによる監視 オンライン監視ツールやウェブカメラ使用
柔軟性 会場による制約がある 場所の自由度が高い
不正対策 会場内での厳重な監視 AI監視やリモートプロクターによる監視

 

オンライン受験可能な主要資格一覧

オンラインやCBT方式で受験できる代表的な資格は以下の通りです。

 

  • 英検(英語検定):従来の筆記試験に加えてCBT方式も導入。試験会場でコンピュータを使用して受験します。
  • FP(ファイナンシャル・プランナー)資格:2級・3級の試験でCBT方式が採用されており、試験会場でのコンピュータ受験が可能です。
  • ITパスポート試験:CBT方式が採用され、全国の試験会場で随時受験が可能です。
  • 簿記検定:一部級ではCBT方式が導入されており、受験の利便性が向上しています。
  • 少額短期保険募集人試験: 保険会社や代理店、不動産業務で必要なこちらの試験もCBT方式が採用されています。

 

CBT方式で受験できる不動産資格一覧はこちら

各試験方式のメリット・デメリット

それぞれの試験方式にはメリットとデメリットがあります。

 

CBT方式のメリット

  • 試験日程の柔軟性が高く、忙しい社会人でも受験しやすい
  • 解答後すぐに結果がわかる試験もあり、結果通知が早い
  • 会場でコンピュータを使用するため、マークミスや記入漏れのリスクが低い

CBT方式のデメリット

  • コンピュータ操作に不慣れな場合、操作に戸惑うことがある
  • 会場によっては設備の違いがあるため、快適さに差が出ることがある
  • 機器トラブルが発生する可能性がある

CBT試験のやり方

CBT試験の受験手順は以下の通りです。

 

  1. 試験予約:各試験の公式サイトから受験日時と会場を選び予約します
  2. 受験料支払い:オンラインでクレジットカードやコンビニ決済で支払います
  3. 試験会場に到着:試験開始時間の30分前には会場に到着するようにします
  4. 本人確認:身分証明書を提示し、受付を済ませます
  5. 試験開始:会場スタッフの指示に従って試験用の端末にログインし、受験開始
  6. 試験終了後:一部の試験では、その場でスコアレポートを受け取ることができます

 

CBT試験でカンニングは可能か?

CBT試験では不正行為の防止が徹底されています。
会場内では以下の対策が取られているため、カンニングは極めて困難です。注意しましょう。

 

  • 持ち込み制限:スマートフォンやメモ帳、電子機器類の持ち込みは禁止
  • 監視カメラ設置:試験会場には監視カメラが設置され、不正行為をチェック。録画をするケースも
  • スタッフによる巡回:会場内をスタッフが定期的に巡回
  • AI監視(IBTの場合):オンライン試験ではAIが受験者の動きや視線を監視

不正行為が発覚した場合は失格になり、再受験禁止になるなどの厳しい処分が科されるため、カンニングは絶対にやめましょう。

受験時の持ち物

CBT試験当日に必要な持ち物は以下の通りです。

 

必要な持ち物

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
  • 受験票(必要な場合)
  • 筆記用具(メモ用紙が支給される場合もありますが、会場ルールを確認)

推奨される服装

試験だからといって、堅苦しい服装で望む必要はありません。
以下の点に気をつけると良いでしょう。

 

  • リラックスできる服装:長時間座ることを考慮し、締め付けのない服装が望ましい。
  • 温度調整可能な服:会場の冷暖房に備え、温度調節のきくはおりものを用意。
  • 金属類は控えめに:セキュリティチェックがあるケースもあるため、手間を省くためアクセサリーは最小限に。

まとめ

CBT試験は、多様な試験方式の中の一つであり、柔軟性と利便性の高い試験方式です。


不正行為の防止対策も厳格に講じられており、公正な試験環境が整っています。

不動産資格などの受験を検討している方は、事前準備をしっかり行い、万全の体制で試験に臨みましょう。

 

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