2024年 賃貸不動産経営管理士試験の合格発表・解答番号・全問解説

合格点は35点!

受験者数:30,194人
合格率:24.1%

 

※解答速報は㈱住宅新報の独自の予想によるものです。
試験機関による本試験の結果など(合格基準点・合否)について保証するものではございません。
※解答速報の内容につきましては将来予告なく変更する場合がございます。予めご了承ください。

【2023年賃貸不動産経営管理士試験】全問題と解説

2024年・賃貸不動産経営管理士 全問題と氷見敏明による解説発表!

【問1】 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、各問において「賃貸住宅管理業法」という。)に基づき賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う重要事項の説明(以下、各問において 「管理受託契約重要事項説明」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

 

1. 賃貸人から委託を受けようとする賃貸住宅管理業者は、業務管理者を2年以上経験した別の賃貸住宅管理業者の従業員に委託して、管理受託契約重要事項説明をさせることはできない。
2. 賃貸住宅管理業者は、相手方が独立行政法人都市再生機構である場合でも、管理受託契約重要事項説明をしなければならない。
3. 業務管理者の管理及び監督の下で行う場合であっても、業務管理者ではない従業員が管理受託契約重要事項説明をすることはできない。
4.賃貸住宅管理業者は、自らの子会社の従業員に、親会社である自社が行う管理受託契約重要事項説明をさせることができる。

 

〇問1 正解は肢1。得点すべき問題です。
1 正しい。重要事項説明は、管理業者の従業員がすべきである。
2 誤り。説明の相手方が独立行政法人都市再生機構である場合は、管理受託契約重要事項説明をする必要はない。
3 誤り。業務管理者の管理及び監督の下で行われれば、説明をする管理業者の従業員であれば、だれでもよい。
4 誤り。親会社の従業員に説明させなければならない。子会社であっても別法人である。

 

【問2】 「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」(国土交通省令和5年3月31日施行)において、別添1として準拠することが望ましいとされている「管理受託契約重要事項説明書」の記載に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

1. 賃貸住宅管理業者の名称と説明をする者の氏名は記載するが、業務管理者の氏名は記載しないこととされている。
2.賃貸住宅管理業者が受領した賃借人からの家賃等から管理報酬を相殺して委託者に送金する場合は、その旨を説明し記載することとされている。
3. 報酬に含まれていない管理業務に関する費用で賃貸住宅管理業者が通常必要とするものを記載することとされている。
4. 委託者は必要があると認められるときは、賃貸住宅管理業者に対して管理業務の実施状況に関して報告を求めることができるとされている。

 

▲問2 正解は肢1。肢1と肢2迷うかもしれない。
1誤り。業務管理者の氏名、事務所住所、連絡先、証明番号又は登録番号を記載することになっている。
2正しい。「甲(賃貸人)が乙(管理業者)に支払う報酬並びにその支払の時期及び方法の部分」に、賃借人からの家賃等から管理報酬を相殺し、甲に送金する場合はその旨を説明し記載することとされている。

 

【問3】 賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅の管理受託契約の契約変更に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

 

1. 賃貸住宅管理業法施行前に締結された管理受託契約について、同法施行後に賃貸住宅管理業者の商号を変更する場合には、改めて賃貸住宅管理業法に定める契約締結時の書面の交付を行う必要がある。
2. 賃貸住宅管理業法施行後に締結された管理受託契約について、管理業務の再委託先を変更する場合には、改めて管理受託契約重要事項説明を行う必要がある。
3. 賃貸住宅管理業法施行前に締結された管理受託契約について、同法施行後に法令で定める全ての事項について管理受託契約重要事項説明を行っている場合、その後、報酬の額を変更するときの管理受託契約重要事項説明は、報 酬に関する部分について改めて行えば足りる。
4. 賃貸住宅管理業法施行後に締結された管理受託契約について、報酬の額を変更する場合、委託者の承諾がなくても、管理受託契約重要事項説明を行えば、説明の後、直ちに変更契約を締結することができる。

 

〇問3 正解は肢3。得点すべき問題です。

3最も適切。報酬額だけ変更するときは、その変更される部分だけ説明すればよい。

 

【問 4】 建物の賃貸借契約の有効性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

1. 賃借人が賃料の支払を7日以上怠ったときは、賃貸人は、直ちに賃貸物件の施錠をすることができる旨の特約は無効である。
2. 賃借人が差押え又は破産手続開始の決定を受けたときは、賃貸人は直ちに賃貸借契約を解除することができる旨の特約は無効である。
3. 被保佐人が保佐人の同意を得ずに締結した期間2年間の定期建物賃貸借契約は無効である。
4. 定期建物賃貸借契約でない賃貸借契約の締結時に設定される、期間満了時に賃貸借契約を解約する旨の特約は無効である。

 

〇問4 正解は肢3。得点すべき問題です。

3最も不適切。3年以内の建物賃貸借は、有効であり、取り消すことはできない。他の肢が理解できなくても、肢3は正しい内容だと判断できなければなりません。

 

【問 5】 委任契約の成立及び終了に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

1. 委任契約は、書面による合意がなくても成立する諾成契約である。
2. 委任契約が解除されて終了した場合、契約当初に遡って解除の効力が生じる。
3. 委任契約が終了した場合、急迫の事情があるときは、受任者、その相続人又は法定代理人は、委任者、その相続人又は法定代理人が委任事務を処理することができるようになるまで、必要な処分をしなければならない。
4. 委任契約が途中で終了した場合、その終了が委任者の責めに帰することができない事由によるときは、受任者は既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。

 

〇問5 正解は肢2。得点すべき問題です。

2誤り。解除前になされた行為は有効のままであり、契約当初に遡って無効になるのではない。解除後の将来に向かって無効となる。

 

【問 6】 「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(国土交通省住宅局平 成18年4月一部改正)において定められている新築住宅建設に係る設計指針に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

 

1.共用廊下等に面した住戸の窓は、面格子の設置等の侵入防止に有効な措置を講じたものとする。
2. 接地階等の住戸の玄関扉は、破壊及びピッキングが困難な構造を有する錠等を設置したものとする。
3. エレベーターのかご内の照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
4. 共用メールコーナーの照明設備は、床面において概ね20ルクスの平均水平面照度を確保することができるものとする。

 

問6 正解は肢4。照明設備の照度を勉強した人は解答できるでしょうが、そうでなければ肢3と4のいずれか迷うと思う。

4不適切。共用メールコーナーの照明設備は、床面において概ね50ルクス以上確保すべきである。

 

【問 7】 賃貸住宅の維持保全に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

1. 機器の交換は、劣化状況と収支状況に鑑み、法定耐用年数のみにとらわれず実施することが求められる。
2. 事故や故障が起きてから修繕を行うのではなく、事故や故障が起きないようにあらかじめ適切な処置を施すことが必要である。
3. 事故や故障の復旧を急ぐあまり、十分な検証をせずに部分的補修をすると設備全体の修繕周期の把握が困難となることが多い。
4. 経済的な観点からは、事故や故障が起きてから修繕を行う事後保全が望ましい。

 

〇問7 正解は肢4。これは、常識で解答できるサービス問題。

4最も不適切。経済的な観点からは、事故や故障が起きてから修繕を行う事後保全は望ましくない。

 

【問 8】 賃貸住宅管理業法に基づく定期報告に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

 

ア. 賃貸住宅管理業者が管理業務報告書に記載することが法令で義務付けられている事項以外についても、賃貸人の求めがあれば、管理受託契約における委託業務の全てについて報告することが望ましい。
イ. 管理業務報告書に係る説明方法は問われないが、賃貸人と説明方法について協議の上、双方向でやりとりできる環境を整え、賃貸人が管理業務報告書の内容を理解したことを確認する必要がある。
ウ. 新たに管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごとに報告が行われていれば、前回報告から1年を超えない期間内に契約期間満了によって当該契約が更新されず終了するときは、期間の満了に伴う報告は不要である。
エ. 賃貸人の承諾を得て電子メールで管理業務報告書を賃貸人に提供する場合、提供を行う賃貸住宅管理業者は、 送信した管理業務報告書のデータを保存す るよう努めるものとする。

1. 1つ
2. 2つ
3 .3つ
4 .4つ

 

〇問8 正解は肢3。得点すべき問題です。ただし、個数問題だから迷うかも。

アは正しい。法令で義務付けられている事項以外についても、賃貸人の求めがあれば、管理受託契約における委託業務の全てについて報告することが望ましい。

イは正しい。賃貸人と説明方法について協議の上、双方向でやりとりできる環境を整え、賃貸人が管理業務報告書の内容を理解したことを確認する必要がある。

ウは誤り。期間が満了した後も報告が必要。

エは正しい。後日のトラブル防止のため、送信した管理業務報告書のデータを保存するよう努めるべきである。

以上から、正しいものは3つ。

 

【問 9】 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交 通省平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。) に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア. 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失による壁 (クロス)の毀損 部分の補修費用は㎡単位で賃借人の負担となり、毀損箇所を含む一面分を賃借人の負担とすることはできない。
イ. 原状回復ガイドラインによれば、 賃借人の喫煙により居室全体にタバコのヤニや臭いが付着した場合、当該居室全体のクリーニング費用を賃借人負担とすることはできるが、当該居室全体の壁(クロス)の張替え費用を賃借人 負担とすることはできない。
ウ. 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失による襖の毀損部分の補修費用は㎡単位で賃借人の負担となり、毀損箇所を含む一枚分を賃借人負担とすることはできない。
エ. 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失によるフローリングの毀損部分の補修費用は原則㎡単位で賃借人の負担となるが、フローリングの毀損が複数箇所にわたる場合は居室全体分の補修費用を賃借人の負担とすることができる。

 

1. 1つ
2. 2つ
3 .3つ
4 .4つ

 

問9 正解は肢1。個数問題なので、迷うと思います。

ア誤り。賃借人の過失による壁 (クロス)の毀損部分の補修費用は㎡単位で賃借人の負担となり、毀損箇所を含む一面分を賃借人の負担とすることもできる。

イ誤り。賃借人の喫煙により居室全体にタバコのヤニや臭いが付着した場合、当該居室全体のクリーニング費用を賃借人負担とすることはできる。また、当該居室全体の壁(クロス)の張替え費用を賃借人負担とすることもできる。

ウ誤り。賃借人の過失による襖の毀損部分の補修費用は㎡単位で賃借人の負担となり、毀損箇所を含む一枚分を賃借人負担とすることはできる。

エ正しい。賃借人の過失によるフローリングの毀損部分の補修費用は原則㎡単位で賃借人の負担となるが、フローリングの毀損が複数箇所にわたる場合は居室全体分の補修費用を賃借人の負担とすることができる。

 

【問 10】 原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

 

1. 原状回復ガイドラインによれば、原状回復とは「賃借人の居住、使用により発生した建物の損耗・毀損を復旧すること」と定義されている。
2. 原状回復ガイドラインによれば、賃借人が通常の清掃を実施していない場合、住戸全体の清掃費用相当分の全額が賃借人の負担となることがある。
3. 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失により畳表の張替えが必要となった場合、6年で残存価値1円となるような直線を想定し、負担割合を算定する。
4. 原状回復ガイドラインによれば、 戸建賃貸住宅の庭に生い茂った雑草の原状回復費用は、賃借人の負担とはならない。

 

〇問10 正解は肢2。得点すべき問題。

2最も適切。住まい方次第で発生したり、発生しなかったりすると考えられるのであれば、賃借人の負担となると考えられる。

 

【問 11】 賃貸住宅における原状回復に係る少額訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

 

ア. 少額訴訟では、裁判所は、原告の主張を認める場合でも、支払猶予の判決を言い渡すことができる。
イ.賃貸人から請求された原状回復費用50万円を賃借人が支払わず立ち退きもしない場合、賃貸人は、少額訴訟により、50万円の支払及び明渡しを請求することができる。
ウ. 少額訴訟では、1回の審理で判決が言い渡され、訴訟の途中で和解による解決はできない。
エ. 少額訴訟の判決に対して不服がある場合は、地方裁判所に控訴することができる。

 

1 .1つ
2. 2つ
3 .3つ
4 .4つ

 

11 正解は肢1。個数問題なので、自信をもって答えられないと思います。

ア正しい。支払猶予の判決を言い渡すことができる。

イ誤り。少額訴訟により、明渡請求はできない。

ウ誤り。訴訟の途中で和解による解決できる。

エ誤り。控訴できない。

 

【問 12】 地震等の自然災害における建物の調査等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

1. 応急危険度判定は、都道府県知事などが認定した建築技術者が、地方公共団体の要請により行うことが一般的である。
2. 市町村など各行政庁で実施する応急危険度判定では、「危険」は赤色、「要注意」は黄色、「調査済」は緑色のステッカーで表示することになっている。
3. 被災度区分判定は、建築技術者が地方公共団体の依頼により、被災建物の耐震性能を調査し、継続使用の可能性や補強方法などの復旧の検討を行うものである。
4. り災証明は、保険の請求や税の減免など、被災者が各種支援を受ける際などに必要な「家屋の財産的被害程度」 (全壊、半壊など) を市町村長が証明するものである。

 

12 正解は肢3。令和元年問29に似たような問題は出題されているが、正解肢の3については出題されていないので、迷う問題であると思う。

3最も不適切。被災度区分判定は、建物所有者の依頼により建築技術者が行う。建築技術者が地方公共団体の依頼により、行うのではない。

 

【問 13】 建築基準法等の採光に係る規定(以下、本間において「採光規定」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

1. 住宅の居室のうち居住のための居室には、自然採光を確保するため、一定の開口部を設けなければならない。
2. 採光規定は、事務所や店舗用建物にも適用される。
3. 住宅の居室では、床面積の7分の1以上の採光に有効な開口部を設けなければならないが、一定の要件を満たせば10分の1まで緩和される。
4. 住宅以外の用途で建てられた建築物を住宅に用途変更する場合は、採光規定の基準をいかに満たすかが問題になることが多い。

 

〇問13 正解は2。得点すべき問題

2誤り。建築基準法等の採光規定は、住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)に適用される。事務所や店舗用建物には適用されない。

 

【問 14 】 建物の外壁の定期調査についての建築基準法等の運用に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

 

1. 外壁仕上げ材等の定期調査では、 外壁タイル、 石張り、モルタル等の劣化 及び損傷の状況について、 概ね6か月から3年以内に一度行う手の届く範囲 の打診に加え、概ね10年に一度、全ての壁面について全面打診等を行うこと とされている。
2. 3年以内に外壁改修を行うことが確実である場合であっても、 全面打診を行うこととされている。
3. 竣工後5年以内の建物の外壁タイル等については、剥離の有無等を確認す査方法として、 双眼鏡等による目視は認められていない。
4. 打診以外の外壁の調査方法には、 地上に設置した赤外線装置による赤外線 調査等があるが、無人航空機による赤外線調査についても、一定の実施要領 にのっとれば、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものとされている。

 

14 正解は肢4。難しい問題だが、何となくドローンは最先端だから正しいかもと正解した人もいるだろうと思います。

4が適切。「定期報告制度における赤外線調査(無人航空機による赤外線調査を含む) による外壁調査 ガイドライン」によれば、無人航空機(ドローン)による赤外線調査についても、一定の実施要領 にのっとれば、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものとされている。

【問 15】 建物内の結露に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

1. 結露とは、建物の内外や建物内において隣接する上下・左右の部屋等の温湿度差によって壁・床・天井・窓等の表面に水滴がつく現象である。
2. 結露は、浴室の使用、洗濯物の室内干し、又は水蒸気を発生させる暖房器具等の使用によって、 空気中の水蒸気が多くなると発生しやすい。
3. 壁の内部の空気の温度が、 その空気中の水蒸気の量に応じた露点温度を上回った場合に、壁の内部で結露が発生する。
4. 窓ガラスや壁・床の表面に結露する表面結露は、 室内の過度の加湿を避け、適度な換気を行うなどすることで抑制できる。

 

〇問15 正解は3。常識でも解ける問題であり、得点すべき問題です。

3最も不適切。壁の内部の空気の温度が、 その空気中の水蒸気の量に応じた露点温度を下回った場合に、壁の内部で結露が発生します。

 

【問 16】 住宅において使用される自動火災報知設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 感知器は、熱感知器、煙感知器、 炎感知器に大別されるが、 炎感知器は設置される頻度が少ない。
2. 定温式スポット型は、 火災の熱により、一定の温度以上になると作動する熱感知器である。
3. 差動式スポット型は、 周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに作動する熱感知器である。
4. 光電式スポット型は、機器の中のイオン電流が煙によって遮断されると作動する煙感知器である。

 

16 正解は4。難しい問題です。前日講座で勉強しましたね。

4最も不適切。光電式スポット型は、火災の煙による光の乱反射または遮光を検出して火災を感知する感知器である。感知器の中のイオン電流が煙により遮断されると火災を感知するのは、イオン式スポット型である。

 

【問17】 月額賃料 10万円の賃貸住宅につき、賃借人が月額賃料 7万円への 減額を請求した場合に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

 

1. 敷金が 20 万円の場合、 賃料減額請求権の行使により敷金も14万円に減額になるので、賃貸人は敷金の差額分の6万円を返還しなければならない。
2. 賃借人の賃料減額請求権の行使後、 物件に雨漏りが発生した場合でも、そのことによる物件の価値の減少は、当該賃料減額請求の判断に際しては、 考慮の対象とはならない。
3. 賃借人が賃貸人に対し口頭で賃料を7万円に減額するよう通知した場合でも、賃料減額請求権を行使したものと認められる。
4.賃料減額請求権の行使後、毎月8万円の賃料が支払われていた場合におい て、9万円を正当な賃料額とする裁判が確定したときは、賃貸人は、毎月の 賃料の不足分1万円につき、 法定利率による利息を付した額の支払を賃借人に請求することができる。

 

〇問17 正解は肢1。得点すべき問題です。正解肢1は、常識でも解けると思います。

1不適切。賃料減額請求により賃料が減額されたら、敷金も減額されることにはならない。

 

【問 18】 賃借人の滞納賃料を回収するための法的手続に関する次の記述の うち、誤っているものはどれか。

 

1. 賃借人が賃料を滞納した場合、 賃貸借契約書が執行認諾文言付きの公正証 書により作成されているときは、賃貸人は、改めて訴訟を提起して確定判決 を得ることなく、 滞納賃料の請求について強制執行をすることができる。
2. 期間内に滞納賃料の支払がない場合には期間の経過をもって賃貸借契約を 解除する旨の通知は、 内容証明郵便により行わなければ、 賃借人が滞納賃料 を支払わないまま所定の期間が経過しても、契約解除の効力は生じない。
3. 滞納賃料の支払督促に対しては異議の申立てがなくても、当該支払督促に ついて賃貸人が行った仮執行宣言の申立てに際し、 賃借人が2週間以内に異 議の申立てをすれば、 通常の民事訴訟の手続に移行する。
4. 既にA簡易裁判所において同一年内に10回の少額訴訟を提起している賃貸 人が、 同一年内に初めてB簡易裁判所に対し、 その管轄に属する滞納賃料の 支払請求訴訟を提起する場合には、少額訴訟を選択することができる。

 

〇問18 正解は肢2。得点すべき問題です。

2誤り。内容証明郵便でなくても解除の効力は生じる。

 

【 問19】 賃貸住宅管理業者による金銭の分別管理に関する次の記述のうち、 適切なものはどれか。

 

1. 賃貸住宅管理業者は、 管理業務において受領する家賃等の金銭を、自己の 固有財産とは別に口座を設けて管理するとともに、賃借人への返還が予定さ れている敷金について、 他の金銭と分けて管理しなければならない。
2. 賃貸住宅管理業者は、 賃貸住宅が共有物であって、 共有者全員との間で一 つの管理受託契約を締結している場合には、 管理業務において受領する家賃 等の金銭につき、それぞれの共有者に分けて勘定を設け管理する必要はない。
3. 賃貸住宅管理業者は、家賃等を管理する口座に入金された金銭は速やかに 賃貸人に引き渡す必要があり、 賃貸人に負担義務がある賃貸住宅の修繕工事 を実施するにあたって、 その費用を家賃等を管理する口座から拠出すること はできない。
4. 賃貸住宅管理業者は、 管理業務において受領する家賃等を管理する口座か ら、管理報酬分の金額を自己の固有財産を管理する口座に移し替えてはならない。

 

〇問19 正解は肢2。得点すべき問題です。
肢1.3.4は適切だから、消去法で正解肢は2と判断できると思います。

 

【問 20】 サブリースに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
なお、 本間において 「原賃貸借契約」とは、賃貸人と転貸人 (賃借人)との契 約関係を指し、 「転貸借契約」とは、転貸人(賃借人)と転借人との契約関係を 指すものとする。

ア. 転貸を事業として行うサブリースの場合、 原賃貸借契約には借地借家法の 適用はないが、転貸借契約には同法の適用がある。
イ. 転借人が故意により居室を毀損したことは、転貸人の賃貸人に対する債務不履行にあたる。
ウ. 転借人は、転貸人に転貸料を前払していれば、 賃貸人からの賃料の請求を拒むことができる。
エ. 原賃貸借契約が賃料不払を理由に債務不履行解除されると、転貸借契約も当然に終了する。

 

1. 1つ
2. 2つ
3. 3つ
4. 4つ

 

〇問20 正解は肢1。得点すべき問題です。過去問題をキチンと説いている人は個数問題ではありますが、正解できます。

ア誤り。原賃貸借契約にも借地借家法の適用がある。

イ正しい。転借人の故意による毀損は、転貸人の帰責事由になるので、転貸人の賃貸人に対する債務不履行にあたる。

ウ誤り。前払いをもって賃貸人に対抗できない。

エ誤り。原賃貸人が転借人に返還請求をしたときに終了する。

以上から、正しいものは、イの一つのみであるから1が正解。

 

 

【問 21】 定期建物賃貸借契約でない賃貸住宅の賃貸借契約の契約期間と更 新に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 

ア. 賃貸借契約の契約期間は、50年を超えることができない。
イ. 賃貸借契約では、契約期間を定めることが賃貸借契約の成立要件である。
ウ. 賃貸借契約において、賃貸人が契約の更新を拒絶する旨を通知したが、 賃 借人が期間満了後も賃貸住宅を使用し続け、 賃貸人がこれに異議を述べない 場合、賃貸借契約は更新されたものとみなされる。
エ. 賃貸借契約において、 賃貸人が契約期間満了を原因として契約を終了させ る更新拒絶の通知には正当事由の具備が必要となるところ、 財産上の給付 (い わゆる立退料)は正当事由の補完要素として考慮されるに過ぎない。

 

問21
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 ウ、エ

 

〇問21 正解は肢4。得点すべき問題です。

ア誤り。50年を超えてもよい。

イ誤り。期間の定めのない建物賃貸借もある。

ウ正しい。意義を述べなければ法定更新する。

エ正しい。立退料の交付だけで、正当事由になるものではないが、正当事由を強める補完要素となる。以上から正しいものの組み合わせはウとエなので、4が正解である。

 

【問 22】 定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、誤っているものは いくつあるか。

ア.賃貸人が定期建物賃貸借契約の中途解約条項に基づき、 同契約を中途解約する場合、正当事由の具備は不要である。
イ.宅地建物取引業者が定期建物賃貸借契約を媒介する場合、代理権が無い場 合でも、同契約は更新がなく期間の満了により終了することの説明をすれば、 契約の更新がないこととする旨の定めは有効に成立する。
ウ. 200㎡未満の賃貸住宅の定期建物賃貸借契約が成立しているときに、賃借人 が親族の介護により同建物を生活の本拠として使用することが困難となり、 賃貸人に対して解約申入れをした場合、 同契約は解約申入日から1か月を経過することにより終了する。
エ. 定期建物賃貸借契約の期間が1年以上のとき、賃貸人が期間満了の5か月 前に、賃借人に対して同契約が終了する旨を通知した場合、 同契約の期間満 了日から6か月経過後に終了する。

 

1. 1つ
2. 2つ
3 .3つ
4 .4つ

 

22 正解は肢3。個数問題でもあり、ひっかけ問題も含まれており、得点できないかもしれません。

ア誤り。賃貸人からの解約は正当事由を具備することが必要。

イ誤り。賃貸人は、更新がない旨の説明をしなければならない。代理権のない媒介業者が説明しても賃貸人が説明したことにはならない。もちろん、媒介業者も定期建物賃貸借である旨の説明は重要事項として説明しなければならない。

ウ正しい。居住用で、200㎡未満で、親族の介護により同建物を生活の本拠として使用することが困難になれば、中途解約することができ、中途解約をした場合には、1箇月後に終了する。

エ誤り。終了通知をしたときから6箇月後に終了する。

 以上から、誤っているものはア、イ、エの3つであるから3が正解。

 

【問 23】 建物賃貸借契約と破産に関する次の記述のうち、誤っているもの はどれか。

 

1. 賃借人につき破産手続が開始すると、 賃貸借契約は終了する。
2. 賃借人につき破産手続が開始すると、 開始決定までに生じた未払賃料債権 は破産債権として扱われ、 破産手続によらない限り、破産管財人から弁済を 受けることができない。
3. 賃借人につき破産手続が開始すると、 賃借人は敷金返還請求権を行使する
ことができない。
4. 賃貸人につき破産手続が開始すると、賃借人が賃貸住宅の引渡しを受けて いる場合、破産管財人は、双務契約における当事者双方の債務の未履行を理 由とした解除権を行使することができない。

 

〇問23 正解は肢1。得点すべき問題です。類似問題として令和2年問25肢3があります。

1誤り。賃借人が破産手続開始の決定を受けても、直ちに契約が終了するわけではない。また、賃貸人も解除できるわけでもない。ただし、賃借人の破産管財人は、解除することができ、解除すれば契約は終了する。

 

【問 24】 Aを賃貸人、Bを賃借人として令和4年12月1日に締結された期 間2年の建物賃貸借において、個人であるCはBから委託を受けてAと連帯保 証契約を同日締結した。 この事案に関する次の記述のうち、正しいものの組合 せはどれか。

ア.保証契約は書面により締結されなければならないため、 同契約がその内容を記録した電磁的記録によってなされても無効である。
イ. Bが賃料の支払を遅滞した場合、 ACに対して連帯保証債務の履行を請求するためには、 AB間の賃貸借契約を解除しなければならない。
ウ. AC間の連帯保証契約は、主債務の範囲に含まれる債務の種別を問わず、極度額を定めなければ効力を生じない。
エ. CがAに対して主債務の元本及び主債務に関する利息、 違約金、損害賠償 その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの 残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供することを請求した場合、 Aには情報提供義務がある。

 

1 .ア、イ
2. ア、エ
3. イ、ウ
4. ウ、エ

 

〇問24 正解は肢4。得点すべき問題です。

ア誤り。電磁的記録で保証契約を締結できる。

イ誤り。AB間の賃貸借契約を解除しなくても、連帯保証債務の履行を請求できる。

ウ正しい。借家人の保証人が個人であるから、個人根保証契約であり、極度額を定めないと無効である。

エ正しい。保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。

 以上から、正しいものはウとエなので4が正解である。

 

【問 25】 建物の賃借権の譲渡及び転貸に関する次の記述のうち、正しいも のはどれか。

 

1. 賃借人が死亡し遺言が無い場合は、賃貸人は相続人に対して賃貸借契約を解除することができる。
2. 賃借人が第三者に対し、 賃貸住宅を使用貸借により使用させることは転貸には該当しない。
3. 賃貸借契約に、賃借権を無断で譲渡し又は無断で転貸することを禁ずる定めがない場合、賃借人は自由に賃借権を譲渡又は転貸することができる。
4. 賃貸住宅の賃借権の譲渡につき賃貸人が承諾しない場合、賃借人は裁判所に対し、賃貸人の承諾に代わる許可を求めることはできない。

 

〇問25 正解は肢4。得点すべき問題です。今年宅建試験を受験した方は得点しなければなりません
4正しい。建物賃借権の譲渡を賃貸人が承諾しない場合、家主の承諾に代わる裁判所の許可を受ける制度はないが、借地権の譲渡に対して地主が承諾しないときは、地主の承諾に代わる裁判所の許可を受ける制度はある。

 

【問 26】 賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅管理業の登録に関する次の記 述のうち、正しいものはどれか。

 

1. 登録を受けずに賃貸住宅管理業を営む者の管理戸数が 200 戸以上となった 場合、登録の申請を行っていれば、その時点で登録を受けていなくても、賃 貸住宅管理業者として継続して賃貸住宅管理業を営むことができる。
2. 賃貸住宅管理業者であった法人が登録の取消しの処分を受けた際に当該法 人の役員であった者は、当該取消しの日から5年を経過しなければ、賃貸住 宅管理業の登録を受けることができない。
3. 登録を受けずに賃貸住宅管理業を営む者は、 特定転貸事業者であっても、当該特定転貸事業者の業務及び財産の状況を記載した書類を備え置き、閲覧 させる義務はない。
4. 賃貸住宅管理業者である法人の役員が道路交通法に違反したことにより禁錮刑に処せられた場合であっても、当該法人が登録を取り消されることはない。

 

〇問26 正解は肢2。得点すべき問題です。
1誤り。200戸以上になった時点で登録を受けていないのであれば、業務を停止しなければならない。
2正しい。法人が登録を取り消された場合、当該取消しの日前30日以内に当該法人の役員であった者は、当該取消しの日から5年間は登録を受けることができない。
3 誤り。特定転貸事業者であれば登録を受けた管理業者であろうとなかろうと、当該特定転貸事業者の業務及び財産の状況を記載した書類を備え置き、閲覧させる義務を負う。
4 誤り。法人の役員が禁錮刑に処せられた場合には、当該法人の登録が取り消される。

 

【問 27】 賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅管理業者の証明書の携帯等に 関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

1. 賃貸住宅管理業者の従業者は、その業務を行うに際し、委託者その他の関係者から請求がないときは、 従業者証明書を提示する義務はない。
2. 賃貸住宅管理業者は、当該賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にある者で あっても、一時的にその業務に従事する者については、従業者証明書を携帯 させなくても、その者をその業務に従事させることができる。
3. 従業者証明書には、氏名、 営業所の名称等の国土交通省令で定める事項が記載されている必要があるが、 様式に関する定めはない。
4. 賃貸住宅管理業者は、従業者証明書を携帯させるべき従業者に、従業者証 明書を携帯させずにその業務に従事させたとしても、罰則規定が適用される ことはない。

 

〇問27 正解は肢1。得点すべき問題です。

1 正しい。賃貸住宅管理業者の使用人その他の従業者は、その業務を行うに際し、委託者その他の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならない。

2 誤り。一時的にその業務に従事する者についても、従業者証明書を携帯させなければならない。

3 誤り。従業者証明書の様式は、別記様式第十一号によるものとされている。

4 誤り。30万円以下の罰金の規定が適用される。

 

【問 28】 賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅管理業者の帳簿の備付け等に 関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

1. 賃貸住宅管理業者は、 その業務に関する帳簿に記載が必要な事項が電子計 算機に備えられたファイルに記録され、 事務所において電子計算機その他の 機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって帳簿への記 載に代えることができる。
2. 賃貸住宅管理業者は、その業務に関する帳簿を営業所又は事務所ごとに備え付けるのではなく、 本店等に集約して備え付けなければならない。
3.賃貸住宅管理業者は、その業務に関する帳簿に、委託者の商号、名称又は 氏名、受託した管理業務の内容、 報酬額等の国土交通省令で定める事項を全 て記載しなければならない。
4. 賃貸住宅管理業者は、 その業務に関する帳簿を各事業年度の末日をもって 閉鎖するものとし、 閉鎖後5年間その帳簿を保存しなければならない。

 

〇問28 正解は肢2。得点すべき問題です。

1 正しい。帳簿に記載が必要な事項が、電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体に記録され、必要に応じ賃貸住宅管理業者の営業所又は事務所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができる。

2 誤り。賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付けなければならない。

3 正しい。帳簿に記載しなければならない事項は、管理受託契約を締結した委託者の商号、名称又は氏名、管理受託契約を締結した年月日、契約の対象となる賃貸住宅、受託した管理業務の内容、報酬の額、管理受託契約における特約その他参考となる事項である。

4 正しい。賃貸住宅管理業者は、帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後五年間当該帳簿を保存しなければならない。

 

【問 29】 賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅管理業者の標識の掲示に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

1. 賃貸住宅管理業者は、 本店及び支店で管理業務を行っている場合、支店ではなく本店に標識を掲示しなければならない。
2. 賃貸住宅管理業者が掲げるべき標識には、登録番号 登録年月日等の国土 交通省令で定める事項が記載されている必要があるが、様式に関する定めはない。
3. 賃貸住宅管理業者は、 廃業等の届出を行わずに半年間休業している場合、標識を掲示する必要はない。
4. 賃貸住宅管理業者は、標識の掲示場所が公衆の見やすい場所ではなかった場合、国土交通大臣から業務改善命令を受けることがある。

 

〇問29 正解は肢4。得点すべき問題

1 誤り。賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、標識を掲げなければならない。

2 誤り。標識には、登録番号 登録年月日等の国土交通省令で定める事項が記載されている必要があり、標識の様式は、別記様式第十二号によるものとされている。

3 誤り。賃貸住宅管理業者は、 廃業等の届出を行っていない場合には、半年間休業している場合でも、標識を掲示する必要がある。

4 正しい。賃貸住宅管理業者は、公衆の見やすい場所に、標識を掲げなければならない。これに反する場合には、国土交通大臣は、賃貸住宅管理業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、賃貸住宅管理業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 

【問30】 賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅管理業に関する次の記述のう ち、誤っているものはどれか。

 

1. 賃貸人から明示的に契約等の形式により委託を受けているか否かにかかわらず、本来賃貸人が行うべき賃貸住宅の維持保全を、賃貸人からの依頼によ り賃貸人に代わって行う実態があれば、 賃貸住宅管理業に該当する。
2.賃貸人から委託を受けて分譲マンション等の1室のみの専有部分について維持保全を行う業務は、 賃貸住宅管理業に該当する。
3 .賃貸人からコールセンター業務を受託した場合、入居者からの電話連絡を 受け付けて居室の維持修繕の発注を行うとしても、賃貸住宅管理業に該当しない。
4. 共用部分の維持・ 修繕のみを受託し、 居室の管理を行っていない場合は、賃貸住宅管理業に該当しない。

 

30 正解は肢3。難しい。

1 正しい。賃貸住宅の賃貸人のために当該維持保全に係る契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理を行う業務も賃貸住宅管理業に該当する。

2 正しい。1室のみの専有部分について維持保全を行う業務であっても、賃貸住宅管理業に該当する。

3 誤り。賃貸人からコールセンター業務を受託した場合、入居者からの電話連絡を受け付けて居室の維持修繕の発注を行う行為は、取次又は代理にあたるため賃貸住宅管理業に該当する。

4 正しい。賃貸住宅管理業とは、住宅の居室及びその他の部分について、点検、清掃その他の維持を行い、及び必要な修繕を行うことをいう。したがって、共用部分のみ受託し、専有部分の管理を受託しないのであれば、管理業に該当しない。

 

【問 31】 賃貸住宅管理業法に基づく業務管理者に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。

 

1. 電話の取次ぎのみを行い、管理業務を行っていない施設であっても、賃貸 住宅管理業者の従業員が業務に従事している施設である以上、 業務管理者を 置かなければならない。
2. 営業所又は事務所ごとに配置が義務付けられる業務管理者の人数は、営業所又は事務所の管理業務に従事する従業員の人数によって異なる。
3 .賃貸住宅管理業者は、 営業所の業務管理者として選任した者の全てが欠け るに至ったときは、新たに業務管理者を選任するまでの間は、その営業所に おいて管理受託契約を締結してはならない。
4. 宅地建物取引業を営む事務所における専任の宅地建物取引士は、業務管理者を兼務することができない。

 

〇問31 正解は肢3。得点すべき問題です。

1 誤り。管理業務を行っていない施設には、業務管理者を置く必要はない。

2 誤り。貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、最低限1人置けばよい。

3 正しい。賃貸住宅管理業者は、その営業所若しくは事務所の業務管理者として選任した者の全てが欠けるに至ったときは、新たに業務管理者を選任するまでの間は、その営業所又は事務所において管理受託契約を締結してはならない。

4 誤り。宅地建物取引業を営む事務所における専任の宅地建物取引士は、業務管理者を兼務することができる。

 

【問 32】 賃貸住宅管理業法の不当な勧誘等の禁止に関する次の記述のうち、 最も適切なものはどれか。

 

1. 特定転貸事業者が、 特定賃貸借契約の勧誘に際し、 転借人から受領するこ とを予定している家賃の管理の方法につき相手方に告げなかった場合は、 禁 止される不当な勧誘等に該当する。
2. 特定転貸事業者が、 特定賃貸借契約を解除しようとしている賃貸人に対し、 契約期間中の解除はいかなる場合も認められないと説明し解除を断念するよう説得したが、それでも賃貸人が解除の意思表示をした場合には、 禁止され る不当な勧誘等には該当しない。
3. 特定転貸事業者が、 特定賃貸借契約の勧誘をしようと賃貸住宅の所有者の 自宅に訪問したところ、 相手方が単に 「迷惑です」と述べて勧誘行為そのも のを拒否したにすぎないときは、 再度電話で具体的に特定賃貸借契約の勧誘 をしても、禁止される不当な勧誘等には該当しない。
4. 特定転貸事業者が、一般的にみれば迷惑を覚えさせるような時間に、 相手 方が特定賃貸借契約の締結の拒否の意思表示をした以降も勧誘行為を継続す ることは、 相手方が特定転貸事業者の事務所に訪問した際に行われた場合で あっても、禁止される不当な勧誘等に該当する。

 

〇問32 正解は肢4。得点すべき問題です。1又は4で迷うかもしれない。

1 不適切。転貸事業者が、転借賃料の管理については事実の不告知にはならないので、禁止される不当な勧誘等に該当しない。

2 不適切。契約期間中の解除はいかなる場合も認められないと説明し解除を断念するよう説得行為は不当な勧誘等の禁止に当たる。

3 不適切。「迷惑です」と述べて勧誘行為そのものを拒否したのに、 再度電話で具体的に特定賃貸借契約の勧誘をする行為は不当な勧誘等には該当する。

4 適切。相手方が特定賃貸借契約の締結の拒否の意思表示をした以降も勧誘行為を継続することは、相手方が特定転貸事業者の事務所に訪問した際に行われた場合であっても、禁止される不当な勧誘等に該当する。

 

【問 33】 特定転貸事業者及び勧誘者に対する監督等に関する次の記述のう ち、正しいものはどれか。

 

1. 国土交通大臣は、 特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるときは、 特定転貸事業者に対し、 転借人との間で借地借家法上、 無効な特約を締結し たことを理由として、是正のための措置その他の必要な措置をとるべきこと を指示することができる。
2. 国土交通大臣は、不当な勧誘等の禁止違反の是正のために必要な措置をと るべきことを指示した特定転貸事業者が、 その指示に従わないときは、3年 間、特定賃貸借契約に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずる ことができる。
3. 特定賃貸借契約の勧誘者が、 特定賃貸借契約の適正化を図るために必要が あるとして、国土交通大臣から勧誘行為につき報告を求められたにもかかわ らず、その報告を怠ったときは、30万円以下の罰金に処せられる。
4. 特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるときは、当該特定賃貸借 契約の直接の利害関係者に限り、 国土交通大臣に対し、 その旨を申し出て、 適当な措置をとることを求めることができる。

 

33 正解は肢3。肢1又は3で迷うかもしれない。

1 誤り。特定転貸事業者に対し、転借人との間で借地借家法上、無効な特約を締結したことを理由として、是正のための措置その他の必要な措置をとるべきことを指示することはできない。

2 誤り。全部又は一部の業務停止処分は1年以内に範囲で行われる。

3 正しい。国土交通大臣は、特定賃貸借契約の適正化を図るため必要があると認めるときは、特定転貸事業者又は勧誘者に対し、その業務に関し報告を求めることができ、その報告を怠ったときは30万円以下の罰金に処される。

4 誤り。何人も、特定賃貸借契約の適正化を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

 

【問 34】 特定賃貸借標準契約書 (国土交通省不動産・建設経済局令和3年 4月23日更新)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

1. 借主は、転借人 (入居者)との間で転貸借契約を締結する際、当該契約自 体も借地借家法が適用される賃貸借契約であることを明示することで、当該 契約が転貸借契約であることの転借人への開示を省略できるとされている。
2. 借主が転借人 (入居者)との間で転貸借契約を締結する場合、借主が承諾 しない限り転借人が建物を反社会的勢力に再転貸してはならないという内容 を、転貸の条件としなければならないとされている。
3. 特定賃貸借契約が契約の解除により終了した場合、 貸主は、転貸借契約に
おける転貸人の地位を承継するかどうかを選択することができるとされている。
4. 貸主が、 借主に対し、 民泊事業としての使用を目的とした転貸を許容する 場合、住宅宿泊事業法に基づく事業か、 国家戦略特区法に基づく外国人滞在 施設経営事業かの別を明記する必要があるとされている。

 

34 正解は肢4。難しい問題です。

2 誤り。転借人は、反社会的勢力に再転貸することを承諾してはならない。

3 誤り。転貸借契約が終了した場合には、賃貸人は、 転貸借契約における借主の転貸人の地位を当然に承継する。

4 正しい。住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業や国家戦略特区法に基づく外国人滞在施設経営事業についての可否は、頭書で明記しなければならない(4条コメント)。

 

【問 35】 特定転貸事業者が、 特定賃貸借契約を締結しようとする際に行う 相手方への説明 (以下、各問において「特定賃貸借契約重要事項説明」という。) に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

 

1. 特定転貸事業者は、特定賃貸借契約重要事項説明にあたって、説明の相手方の賃貸住宅経営の目的・意向を十分に確認すべきである。
2. 特定転貸事業者は、特定賃貸借契約重要事項説明の相手方が高齢である場 合は、過去に賃貸住宅経営の経験が十分にあったとしても、説明の相手方の 状況を踏まえた慎重な説明を行うべきである。
3. 特定転貸事業者は、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を 実施する場合、説明の相手方が図面等の書類及び説明を十分に理解できる映 像を視認できるか、又は、双方が発する音声を十分に聞き取ることができる 環境で実施しなければならない。
4. 特定転貸事業者は、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を 実施する場合、説明の相手方が承諾した場合を除き、 重要事項説明書をあら かじめ送付しておく必要がある。

 

35 正解は肢3。正解肢3の誤り箇所は、「又は」の部分であり、読み過ごしてしまいそうである。

3 不適切。説明者及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像が視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していることが必要である。「又は、」の箇所が誤りである。

4 正しい。管理受託契約重要事項説明を受けようとする者が承諾した場合を除き、管理受託契約重要事項説明書及び添付書類をあらかじめ送付していること

 

【問 36】 特定転貸事業者が行う特定賃貸借契約重要事項説明において、特 定賃貸借契約の相手方になろうとする者に交付すべき書面 (以下、 各問におい て 「特定賃貸借契約重要事項説明書」という。)に関する次の記述のうち、 適切 なものはどれか。

 

1. 特定賃貸借契約と管理受託契約を1つの契約として締結する場合であって も、特定賃貸借契約重要事項説明書と管理受託契約重要事項説明書とは別の 書面として作成しなければならない。
2. サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン (国土交通省不動 産・建設経済局令和5年3月31日改正)によれば、特定賃貸借契約重要事項 説明書には、書面の内容を十分に読むべき旨を記載しなければならないが、 その部分を太枠で囲い太字波下線を付すことまでは求められていない。
3. 分譲マンションにおいて、特定転貸事業者が専有部分のみを管理し、 マン ション共用部分の管理はマンション管理業者が行う場合、 特定賃貸借契約重 要事項説明書には共用部分の管理に関する負担を記載する必要はない。
4. 入居者からの苦情対応のみを行い維持及び修繕を行っていない場合であっても、そのことを特定賃貸借契約重要事項説明書に記載し説明することが望ましい。

 

36 正解は肢4。難しい問題です。

1 不適切。特定賃貸借重要事項説明書に、管理受託契約重要事項説明書に記載すべきことを記載すれば、別の書面として管理受託契約重要事項説明書を作成する必要はない。特定転貸事業者は、管理受託契約の内容を特定賃貸借契約重要事項説明書に記載し、当該特定賃貸借契約重要事項説明書を用いて特定賃貸借契約重要事項説明の場において管理受託契約重要事項説明を行うことができる。

2 不適切。ガイドラインによれば、特定賃貸借契約重要事項説明書には、書面の内容を十分に読むべき旨を記載しなければならず、 その部分を太枠で囲い太字波下線を付さなければならない。

3 不適切。特定賃貸借契約重要事項説明書には共用部分の管理に関する負担を記載する必要がある。

4 適切。入居者からの苦情対応のみを行い維持 及び修繕(維持・修繕業者への発注等を含む。)を行っていない場合であっても、その内容を記載し、説明することが望ましい。

 

【問 37】 特定賃貸借契約重要事項説明の方法に関する次の記述のうち、適 切なものはどれか。

 

1. 特定賃貸借契約重要事項説明を行う者は、当該説明に先立ち、 特定賃貸借契約の相手方に対し従業員証を提示しなければならない。
2. 特定転貸事業者は、 業務委託契約があれば、 指揮命令系統にない者に特定賃貸借契約重要事項説明を行わせることができる。
3. 特定賃貸借契約重要事項説明は、特定賃貸借契約の相手方が代理権を付与した代理人に対して行うことはできない。
4. 特定賃貸借契約重要事項説明は、 特定賃貸借契約について専門的知識及び経験を有する者として国土交通省令で定める者が相手方である場合には説明 の省略が認められる。

 

〇問37 正解は肢4。得点すべき問題です。

1 不適切。特定賃貸借契約重要事項説明を行う者は、当該説明に先立ち、特定賃貸借契約の相手方に対し従業員証を提示する必要はない。

2 不適切。指揮命令系統のない者は、説明する特定転貸事業者ではないので、重要事項説明をすることはできない。

3 不適切。相手方の代理人に説明すれば、相手方に説明したことになる。

4 適切。説明の相手方が宅建業者、賃貸住宅管理業者、特定転貸事業者、都市再生機構、地方住宅供給公社等である場合には、説明しなくてもよい。

 

【問 38】 特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結したときに賃貸人に対し て交付しなければならない書面(以下、本間において 「特定賃貸借契約締結時 書面」という。) に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

1. 特定賃貸借契約重要事項説明書に、特定賃貸借契約締結時書面に記載すべ き事項がすべて網羅されている場合であっても、 特定転貸事業者は、賃貸人に対し、 特定賃貸借契約の締結時に改めて特定賃貸借契約締結時書面を作成し交付しなければならない。
2.特定賃貸借契約締結時書面については、その様式や文字のポイントが決め られており、これを満たしていない書面を交付しても、特定賃貸借契約締結 時書面の交付とは認められない。
3. 特定賃貸借契約締結時書面に代えて書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供するときは、出力して書面を作成することができ、電子署名を活用する等により改変が行われていないか確認できる状態にあることが必要である。
4. 特定賃貸借契約につき、契約の同一性を保ったまま契約期間を延長したときは、特定賃貸借契約締結時書面の交付は行わなくても差し支えない。

 

〇問38 正解は肢2。得点すべき問題です。肢1,3,4は正しいと判断できるので、消去法でも解けます。

1 正しい。特定賃貸借契約重要事項説明書の交付の時期と特定賃貸借契約締結時書面の交付の時期は異なるので、特定賃貸借契約を締結したら、遅滞なく特定賃貸借契約締結時書面を作成し交付しなければならない。

2 誤り。特定賃貸借標準契約書を採用しなければならないわけではなく、様式が決められているわけではない。

3 正しい。電磁的方法により提供するときは、出力して書面を作成することができ、電子署名を活用する等により改変が行われていないか確認できる状態にあることが必要である。

4 正しい。契約の同一性を保ったまま契約期間を延長したときは、形式的な変更なので、特定賃貸借契約締結時書面の交付は行わなくても差し支えない。

 

【問 39 】 賃貸人が事業者、賃借人が消費者である賃貸借契約における特約 の有効性に関する次の記述のうち、消費者契約法によれば、誤っているものは どれか。

 

1. 賃借人の債務不履行を理由として賃貸人が賃貸借契約を解除した場合にお いて、賃貸人が賃借人に対して請求する違約金につき、賃貸人に生ずべき平 均的な損害の額を超える額を定めた違約金の特約は、全部無効である。
2. 賃貸人の債務不履行により生じる賃借人の解除権をあらかじめ放棄させる特約は、無効である。
3. 賃貸人の債務不履行により賃借人に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する特約は、無効である。
4. 賃貸人の故意又は重過失による債務不履行により賃借人に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する特約は、無効である。

 

〇問39 正解は肢1。得点すべき問題です。正解肢1は、易しい。

1 誤り。平均的な損害の額を超える額を定めた違約金の特約は、超過部分が無効となる。全部無効になるのではない。

2 正しい。賃借人の解除権をあらかじめ放棄させる特約は、無効。

3 正しい。事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部免除は、無効。

4 正しい。賃貸人の故意又は重過失による債務不履行により賃借人に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する特約は、無効である。

 

【問 40】 特定家庭用機器再商品化法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

 

1. 賃貸管理業者が建物所有者のために共同調達組織から家庭用エアコンを調 達する場合、建物所有者に当該エアコンの代金を請求しても、賃貸管理業者 が小売業者となることはない。
2. 賃貸管理業者が小売業者に該当する場合、賃貸管理業者は建物所有者から 排出される家庭用エアコンを引き取って、 製造業者等へ引き渡さなければな らず、当該収集運搬業務を第三者に委託することができない。
3. 賃貸管理業者が小売業者に該当する場合、賃貸管理業者は建物所有者から 排出される家庭用エアコンの指定引取場所までの収集運搬に要する料金につ いて、建物所有者からの求めに応じて応答する義務があるだけでなく、収集 運搬料金を事前に公表する義務もある。
4. 賃借人が賃貸人の承諾を得て、家電量販店から家庭用エアコンを購入し、賃貸物件に設置した後、退去時に賃借人が当該エアコンを廃棄する場合、賃 貸管理業者は小売業者に該当し、 賃借人から当該エアコンを引き取らなければならない。

 

40 正解は肢3。難しい問題ですが、実務上どうしても知っていなければならない良い問題です。

1 不適切。賃貸管理業者が、家電量販店・共同調達組織・販社などから家庭用エアコンを調達し、建物所有者へ代金を請求する場合、当該賃貸管理業者が「小売業者」と見なされる。 

2 不適切。小売業者である賃貸管理業者は、当該収集運搬業務を第三者に委託することもできる。

3 適切。小売業者は、①消費者及び排出者である事業者からの引取りをする義務、②製造業者等への引渡す義務、③収集運搬料金の公表・応答(リサイクル料金を含む)義務、④管理票(家電リサイクル券)の交付・管理・保管等義務がある。

4 不適切。賃借人が賃貸人の承諾を得て、家電量販店から家庭用エアコンを購入し、賃貸物件に設置した後、退去時に賃借人が当該エアコンを廃棄する場合、賃貸管理業者は小売業者に該当しない。

 

 

【問 41】 賃貸住宅管理に関する次の記述のうち、 適切なものはいくつあるか。

ア. 国土交通省総合政策局建設経済統計調査室 「建築着工統計調査報告 (令和 5年計)」(令和6年1月31日公表) によれば、 令和5年の新設住宅着工戸数 のうち、貸家が最も多い。
イ. 賃貸住宅管理業者登録制度の法制化は、 心理的瑕疵を巡る課題の解決、 不動産関連情報基盤の充実、 ESGに即した不動産投資の推進方策などととも に、「不動産業ビジョン 2030~令和時代の『不動産最適活用』 に向けて~」(国 土交通省平成31年4月24日公表)において、 重点的に検討すべき政策課題 とされたものである。
ウ. 空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律 (令和5年12 月 13 日施行)において、 空家等活用促進区域、 空家等管理活用支援法人の指 定、財産管理人による所有者不在の空き家の処分などが規定された。

 

1. なし
2. 1つ
3. 2つ
4. 3つ

 

41 正解は肢4。解けなくもよい問題ですが、賃貸不動産経営管理士試験を今後、さらに発展させようという意気込みがひしひしと感じます。

ア 適切。令和5年の新設住宅着工戸数 のうち、貸家が343,894戸で最も多い。

イ 適切。重点的に検討すべき政策課題は、賃貸住宅管理業者登録制度の法制化、 心理的瑕疵を巡る課題の解決、 不動産関連情報基盤の充実、 ESGに即した不動産投資の推進方策等である。

ウ 適切。空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律 (令和512 13 日施行)において、①活用拡大、②管理の確保、③特定空家の除却等が定められ、活用拡大として空家等活用促進区域、空家等管理活用支援法人の指定、財産管理人による所有者不在の空き家の処分などが規定された。

 適切なものは3つなので、4が正解。

 

【問 42】 賃貸不動産経営管理士に関する次の記述のうち、最も適切なもの はどれか。

 

1. 賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法における業務管理者に選任さ れるか否かにかかわらず、 同法で業務管理者が行うべき事務を実施しなければならない。
2. 賃貸不動産経営管理士の役割は、 賃貸住宅管理業法で定められた業務管理 者の業務に限るものではなく、 賃貸住宅管理業者や従業者が実施する事務を 自ら実施することも含めた、 広範かつ多岐にわたるものである。
3. 賃貸不動産経営管理士が、 特定賃貸借契約において特定転貸事業者が行わ なければならないとされている事務を実施等することは、 賃貸住宅の入居者 この居住の安定の確保及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の公正かつ円滑な実施に 寄与する役割を担う上で利益相反となる。
4. 賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産の活用方式の普及等に積極的に協力 し、取り組むことによって、 国民生活の安定向上に貢献する役割を担う実務 家であり、 不動産をめぐる新たな政策課題への取組みや不動産政策を推進す る役割は期待されていない。

 

〇問42 正解は肢2。得点すべき問題です。

1 最も適切とはいえない。賃貸不動産経営管理士は、業務管理者が行うべき事務を実施する義務はない。。

2 最も適切。賃貸不動産経営管理士の役割は、賃貸住宅管理業法で定められた業務管理者の業務に限るものではなく、賃貸住宅管理業者や従業者が実施する事務を自ら実施することも含めた、広範かつ多岐にわたるものである。

3  最も適切とはいえない。賃貸不動産経営管理士は常に公正で中立な立場で職務を行なうべきで、利益相反とならないように職務を遂行すべきである。

4 最も適切とはいえない。賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産の活用方式の普及等に積極的に協力し、取り組むことによって、 国民生活の安定向上に貢献する役割を担う実務家であり、 不動産をめぐる新たな政策課題への取組みや不動産政策を推進する役割は期待されている。

 

【問 43】 賃貸住宅管理業者が、管理を受託している賃貸住宅で空室が出た ことに伴い、宅地建物取引業者として媒介業務を行おうとする場合に関する次 の記述のうち、 不適切なものはどれか。

 

1. 賃貸住宅管理業者は、媒介報酬として賃貸人から月額賃料の1.10 倍に相当 する額を受け取る場合、賃借人から媒介報酬を更に受け取ることはできない。
2. 媒介業務の報酬を成功報酬と定める契約を締結することはできない。
3. 賃貸住宅管理業者は、賃貸人から特別の依頼を受け多額の費用を要する広 告宣伝などを行う場合は、媒介報酬とは別に広告宣伝費を請求してよいとされている。
4. 賃貸住宅管理業者は、賃貸人の意思に基づいて入居者を決定する必要がある。

 

〇問43 正解は肢2。得点すべき問題。

1 適切。賃貸借の媒介報酬は、課税事業者であれば、月額賃料の1.1倍が最高限度額であり、賃貸人から月額賃料の1.1倍受け取る場合には、賃借人からは受け取ることはできない。

2 不適切。媒介をした当事者が賃貸借契約を締結したら報酬を受け取るという成功報酬の定めは、媒介の依頼者にとって特に不利なものではないので、してもよい。

3 適切。賃貸人から特別の依頼を受け多額の費用を要する広告宣伝は脱泡行為でない限り請求してもよい。

4 適切。オーナーの意思を汲んで媒介業務を行うことは不適切とは言えない。

 

【問 44】 相続税及び贈与税に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

1. 父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けて子が一定の耐震性、 省エネ ルギー性などを備えた良質な賃貸住宅を建てた場合、 1,000万円まで贈与税が 非課税となる。
2. 初めて賃貸住宅経営を開始した人が3年以内に死亡した場合は、その賃貸 住宅の敷地を貸付事業用宅地等として小規模宅地等の特例を適用することはできない。
3. 法定相続人が2人 (うち1人は相続放棄をした。) の場合の相続税の遺産に係る基礎控除額は、 4,200 万円 (= 3,000万円+600万円×2人)である。
4. 令和6年2月1日に祖父から贈与により取得した財産について暦年課税を 適用し、同年3月1日に父から贈与により取得した財産については相続時精 算課税を選択した場合、 贈与税の基礎控除は合計 220万円まで認められる。

 

44 正解は肢1。難しい問題ですが、勘の冴えた方は肢1は誤りだと判断できたかもしれません。

1 誤り。住宅取得等資金の贈与を受けた場合の1000万円の非課税は、自己居住用の住宅を取得した場合であり、自己居住用でない賃貸住宅を建築する場合には、1000万円の非課税制度の適用はない。

2 適切。令和341日以降は原則「3年縛り規制」の対象になるので、3年以内に死亡した場合には、特例の適用は受けられない。

3 適切。基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続の数である。法定相続人には、放棄した人も含める。

4 適切。令和6年1月1日からの新しい制度なので、テキストにも乗っていないかもしれません。祖父から暦年課税、父から相続時精算課税を選択した場合、 贈与税の基礎控除は合計 220万円まで認められる。

 

【問 45】 不動産の証券化に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

 

1. 不動産の証券化が必要とされた背景の一つは、 財務諸表を健全化するために、オフバランスが求められたことである。
2. GK+TK型は、 合同会社が営業者となって投資家との間で匿名組合契約 を締結し、証券を発行して資金を集めて不動産を購入し、 運用益を投資家に 配分する仕組みである。
3. 私募リートは、運用期間の定めがあり、 証券取引所に上場されておらず換金性が乏しい点で、Jリートとは異なる特性を有している。
4. 不動産証券化の仕組みでは、不動産信託受益権や匿名組合の出資持分が利 用されることが多いが、 第二種金融商品取引業の登録がなければ、 販売・勧誘に携わることはできない。

 

45 正解は肢3。難しい問題です。

1 適切。不動産の証券化が必要とされた背景の一つは、 財務諸表を健全化するために、保有資産をバランスシートの資産の部からはずことが求められ、これをオフバランスという。

2 適切。GK+TK型は、 合同会社が営業者となって投資家との間で匿名組合契約を締結し、証券を発行して資金を集めて不動産を購入し、 運用益を投資家に 配分する仕組みである。

3 不適切。私募リートは、証券取引所に上場されておれず、運用期間の定めがない。

4 適切。流動性の低い不動産信託受益権や匿名組合の出資持分の販売・勧誘は第二種金融商品取引業であり、登録を受けなければならない。

 

【問 46】 建物の構造に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

1. 木造在来工法は、建物重量が軽く、設計の自由度が高く、施工しやすいが、鉄骨鉄筋コンクリート造と比べて防火・耐火性能に劣る。
2. 木造ツーバイフォー工法 (枠組壁工法) は、 構造安全耐力及び居住性能に おいて優れているが、 気密性が高いため、建物内部に湿気がたまりやすい。
3.鉄骨造は、比較的軽量であるため高層建物に採用されることが多いが、耐火被覆が必要である。
4. CFT造は、現場での鉄筋工事や型枠工事が不要となり、 省力化工法となっているが、強度が低く、 柱間隔や階高を大きく確保することが難しい。

 

〇問46 正解は肢4。CFT造はテキストにも載っていない場合もありますが、肢123は適切なので、辛うじて消去法でとけるのではないか?

1 適切。木造在来工法は、建物重量が軽く、設計の自由度が高く、施工しやすいが、鉄骨鉄筋コンクリート造と比べて防火・耐火性能に劣る。また、木材は腐りやすい欠点もある。

2 適切。木造ツーバイフォー工法 (枠組壁工法) は、床や壁などの「面」で建物を支える「面構造」であるが、構造安全耐力及び居住性能において優れているが、 気密性が高いため、建物内部に湿気がたまりやすい。

3 適切。鉄骨造は、比較的軽量であるため高層建物に採用されることが多いが、錆びるという欠点があるので、耐火被覆が必要である。

4 最も不適切。CFT造とはコンクリート充填鋼管構造ともいい、主として柱に使用される鋼管の内部にコンクリートを充填した構造をいう。現場での鉄筋工事や型枠工事が不要となり、省力化工法となっており、強度も高く、柱間隔や階高を大きく確保することができる。

 

【問 47】 建物の防水工法の種類に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。

ア. 防水工法の種類は用途に応じて様々であるが、大きくはメンブレン防水とシーリング防水とに区分できる。
イ. メンブレン防水とは、 屋根・屋上バルコニー等に薄い皮膜を形成して防水する工法の総称である。
ウ. シーリング防水とは、コンクリートの打ち継ぎ部・目地部・接合部等に専用材料を充填する防水工法の総称である。
エ. アスファルト防水の工法には、アスファルトを加熱融解して下地に張り付け、3、4層の防水層を形成するものと、合成高分子系ルーフィングシート を用いて防水効果を高め、1、2層の防水層を形成するものがある。

 

1. 1つ
2. 2つ
3. 3つ
4. 4つ

 

47 正解は肢4。個数問題で、かつ、細かい知識もはいっているので、難しい問題です。

ア 適切。防水工法は、大きくはメンブレン防水とシーリング防水とに区分できる。

イ 適切。メンブレン防水は面の防水である。

ウ 適切。シーリング防水は隙間を埋める防水。

エ 適切。アスファルト防水の工法には、34層の防水層を形成するものと、合成高分子系ルーフィングシートを用いる12層の防水層を形成するものがある。

 以上から、適切なものは4つであるから、4が正解。

 

【問 48】 ガス設備等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

1. ガス設備によって供給されるガスは、 比重 熱量 燃焼速度の違いにより、都市ガスとLPガスに分類される。
2. LPガスの主成分・原料は、メタンを主とする天然ガス、海外から輸入する液化天然ガスが大半を占める。
3. ガス管の配管材料として、近年、 屋外埋設管にはポリエチレン管・ポリエ チレン被覆鋼管が、 屋内配管には塩化ビニル被覆鋼管が多く使われている。
4. ガスメーター(マイコンメーター) は、 ガスの使用量を計量する機能だけ でなく、ガスの異常放出や地震等の異常を検知して、 自動的にガスの供給を 遮断する保安機能がある。

 

48 正解は肢2。難しい問題です。肢2を知っているか否かで決まります。

1 適切。都市ガスは、空気より軽く、Pガスは空気より重い。

2 不適切。LPガスは、プロパン、ブタンを主成分とする液化石油ガスである。

3 適切。ガス管の配管材料として、近年、 屋外埋設管にはポリエチレン管・ポリエ チレン被覆鋼管が、 屋内配管には塩化ビニル被覆鋼管が多く使われている。

4 適切。ガスメーター(マイコンメーター) は、ガスの使用量を計量する機能だけでなく、ガスの異常放出や震度5の地震等の異常を検知して、自動的にガスの供給を遮断する保安機能がある。

 

【問 49】 賃貸不動産経営管理士に関する次の記述のうち、最も適切なもの はどれか。

 

1. 賃貸不動産経営管理士は、サブリース方式による賃貸借契約に関して、 賃 貸住宅管理業法が、 特定賃貸借契約に係る規律と転貸借契約に係る規律を定 めているので、 民法や借地借家法などの規律は適用されないことに留意する 必要がある。
2. 賃貸住宅管理業法では管理業務を、 賃貸住宅の維持保全を行う業務とその 業務と併せて行う家賃、 敷金、 共益費その他の金銭の管理を行う業務に限定 していることから、賃貸不動産経営管理士が原状回復の範囲の決定に係る事 務や明渡しの事務に関わることは求められていない。
3. 賃貸不動産経営管理士には、 賃貸不動産経営を支援する業務として予算計 画書、 収支報告書、 物件状況報告書 改善提案書の作成を担うことが期待さ れるが、 予算差異分析は会計等の専門知識が必要なことから、その分析書は 税理士が作成することが義務付けられている。
4. 10~30年程度の将来について、いつ頃、 何を、どのように、 いくらくらい かけて修繕するかを示す長期修繕計画書を作成することは、賃貸住宅の資産 価値を維持する上で重要な事務であり、賃貸不動産経営管理士が作成した場合は、 専門家としての責任の所在を明確にするために、 記名することが望ましい。

 

〇問49 正解は肢4。 得点すべき問題です。

1 不適切。特定賃貸借契約には、借地借家法の規定が適用される。

2 不適切。賃貸不動産経営管理士は、公平な立場からガイドライン等を駆使して原状回復の範囲の決定に係る事務や明渡しの事務に関わってもよい。

3 不適切。予算差異分析書は税理士が作成することが義務付けられてはいない。

4 最も適切。賃貸不動産経営管理士が長期修繕計画書を作成したときは、賃貸住宅の資産価値を維持する上で重要な事務であり、専門家としての責任の所在を明確にするために、記名することが望ましい。

 

【問 50】 保険に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

 

1. 建物に関する損害保険の商品は、住居のみに使用している住宅物件、 住居 部分と店舗や事務所などの部分がある併用住宅物件、事務所、病院、旅館な どに使用している一般物件などに分類され保険料が決まっているが、これは 建物の用途により火災に対する危険度が異なるためである。
2.損害保険の保険料は、各保険会社がそれぞれ純保険料と付加保険料を計算した上で算出されるが、 地震保険の保険料は、損害保険料率算出団体に関する法律に基づき運営されている損害保険料率算出機構が算出した料率 (基準料率)が使用されている。
3. 様々な事業経営と同様、 賃貸不動産経営にも多くのリスクが存在し、 賃貸 不動産経営を行う以上はリスクを全て回避することはできず、発生した損害 を補償するための一つの手段として損害保険がある。
4. 火災保険において支払われる保険金には損害保険金と費用保険金があり、このうち費用保険金は、 建物や家財の直接的な損害に対して支払われるものである。

 

50 正解は肢4。難しい問題です。

1 適切。建物に関する損害保険の商品は、住宅物件、併用住宅物件、一般物件などに分類され保険料が決まっているが、これは建物の用途により火災に対する危険度が異なるためである。

2 適切。損害保険の保険料は、各保険会社がそれぞれ計算した上で算出されるが、 地震保険の保険料は、損害保険料率算出機構が算出した料率 (基準料率)が使用されている。

3 適切。本肢は常識で解ける問題。

4 不適切。火災保険において支払われる保険金には損害保険金と費用保険金があり、火災後の後片付けや、家が住めなくなったために発生するホテル代などの費用を補償する目的で支払われる保険金が「費用保険金」である

 

 

賃貸不動産経営管理士 試験概要についての詳細はこちら