【シン・人材像6】 アイ・ユニットコーポレーション 石橋直和代表取締役
インタービュー記事
不動産企業の経営者の視点から人材はどう見えるのか。20年以上、不動産業・建築業・行政書士業を経営しているアセットグループ代表の大城嗣博氏が、経営者の本音に迫る。 アイ・ユニットコーポレーションの石橋直和代表取締役に話を聞いた。
大城 事業内容と収益の柱は?
石橋 「収益の柱は不動産の分譲です。『天空の家』という戸建て分譲が柱です。元々生業は不動産業の仲介です。この辺のエリアは得意で、その影響力を生かして土地を買って分譲住宅を販売します。都内のいいところも知っていますので、千葉のいいところと掛け合わせたような不動産会社ができたかと思っています。
お客様の入口は売買事業部です。土地の仕入れは仕入れ事業部がやっています。そして、建築をする企画開発事業部、次へのバトンタッチがコンサルティング事業部です。仕入れ1に対して販売2ぐらいの人数のイメージです。仕入れ1人が2棟仕入れます。そして、1棟ずつ販売するというイメージです」
大城 案件ごとにチームのようなものがあるのですか?
石橋 「コンサルティング事業部は、購入者側の契約後のローン関係などをいろいろいて提案していますので、分業ですね。
最近は、新卒で4月に各事業部へ配属しています。その新卒の想いと、我々から見て長所と思うところを判断して配属を決めています。最初から〝ここでやっていこう〟っていうことにするケースが多いですね。中途採用もちろんしています」
大城 建築会社もなさっている?
石橋 「3社ありまして、建築を任せている責任者もいますね。全体で月に10棟ぐらい着工しています。10棟のうち2、3割ぐらいは自社で分離発注していく。全部を分離発注できないので、残り7割ぐらいを他の工務店さんにお願いしている。不動産業からはじまって、建築も若干やっています」
大城 採用とか配属は不動産会社のほうで、採用して建築に行くこともあるのですか?
石橋 「まだないです。実際はキャリア採用でしょう。育成体制はまだ整っていないので、それが課題です。これからつくりあげていかなきゃならない。
新卒で配属を分けるために、内定者には弊社でアルバイトをやってもらっています。そこで資質があるなと思ったら4月に配属を決めていきます。新卒採用は6期生をやっています」
大城 従業員に奨励している資格はありますか?
石橋 「資格は宅建ですね。手当も付けています。資格持っている方と、実際の成果との関連性は、皆さん知っての通り、あまりないですよね。
ただ、本当に素晴らしい、上に立つ人間は(資格も成果も)両方とも持っているということですよね。よく俗にいうじゃないですか。(資格が)有ったからって売れるわけじゃないけども、売れている人とまとめる人は(資格を)持っているって」
大城 どのインタビューでも同じ答えになりますね。それ以外の資格は?
石橋 「建築士とかではないのでしょうか。ただ、社内では資格を取ってない人の中で責任者をおいて、宅建取得委員会をつくっています。持っていない人を委員長にして資格を取るように頑張ってねといっています。私が資格を取れといっていたときよりも、資格を取るようになりました」
大城 売れている人と売れていない人の違いって何ですか?
石橋 「コツは二つあると言っています。成功のコツは〝コツコツ〟が勝つコツ。コツが二つで、勝つコツは〝コツコツ〟です。
資格を持っているか、持っていないかというよりも、結局、日々のプロセスの結果、(資格試験に)受かったというだけじゃないですか。なので、コツコツできる努力がある人は資格を持っているし、コツコツできるからこそ、お客様への追客とか、連絡とか、そういったこともできるから成果出るという話ですよね」
大城 逆に言うと成果が出ていない人がいるとしたら、この二つのコツがないということでしょうか?
石橋 「コツコツはしていないし、あともう一つ言うならば〝素直〟っていうのがあります。素直に受け入れて、行動できることを〝素直〟って言っています。上長とか上司、先輩とかがアドバイスをする中で、我流になってしまうのかは、一番遠回りですよね。
面接の時は〝素直〟ではなく、本人が今までやってきた原体験の中で一番つらかった〝バー〟がどこにあるのかを見ています。どこまでになったらつらいと思うのか、本人の〝バー〟を見て、我々の働き方を重ね合わせて、いけるな、伸びるなっていうところを見ています。
あとは理念採用ではないですけれど、我々の理念や想いと一致しているとか、目標に向かって一緒に頑張れる人であれば採用します」
大城 理念というか、結果を残すための17条がありますね。
石橋 「うちには〝成長シート〟というのがあります。4カ月に一度、17条の中の大事なものを8個ピックアップしています。ある程度社歴が長い人は、項目が増えていきます。実際4カ月で考課していきます。そう考えると、前にできていても今回できなかったという可能性もあります。
考課は直属の上司とその上の上司、本人により、一次考課と二次考課をします。4カ月に一度、本人と一次考課者、二次考課者の面談をしていきますので、そこである程度(評価が)整うのではないですかね」
大城 中堅社員への伝え方は?
石橋 「いろいろな打ち合わせの中で、今までは、全体ミーティングをしていたのですが、管理職を集めて、自分はこう思っている、こうこうこうで、こういう方向性でいきたいとか、この件はどう思うって、ここで決めたことを戻って、君らで考えて、君らの言葉にして返答してもらうように、最近変えました。そうしたら当事者意識が生まれました」
大城 リモートのいい面と悪い面は?
石橋 「良い面はDXに振り切れました。今だと思って。いろいろな面でDXに振り切って、8割程度、うまく本業に組み込まれています。マイナス面としては作業が増えました。皆の作業量が増えた感じがします」
大城 昇給基準について。
石橋 「宅建手当以外に昇給基準はまずは成績ですね。僕ら簡単で、リーダーになるためには、まずは自分の数字を達成してもらいます。リーダーになったら部下が一人つくので、二人でユニットを組んで達成、リーダーから管理職になるためには、そのユニットの成約を達成します。管理職になると今度は、大きなユニットでの数字を達成してもらい、その中からリーダーを輩出していくという流れです。評価基準は明確にあります。
結局、リーダーは背中を見せればいいと思うのです。しっかりとやっている背中を見せながらも、同時に指導をしていく。その上である所長代理がある程度手を貸さないといけないとは思いますが、リーダーはしっかりと、背中を見せろということですかね」
大城 転職したいという人へのメッセージは?
石橋 「様々な業界、業種があるかもしれませんけれども、結果を出しているけれども評価されないとか、稼げないとかの環境であれば、ぜひ不動産業に飛び込んでみてはどうでしょうか。私自身はやりがいがある組織を作っていきたいなと思っています」