不動産業界が複雑すぎてイマイチ理解できない。

不動産業界は業種や職種が多岐に渡るため、なかなかイメージがつかない方も多いのではないでしょうか。

本ページでは「不動産業界」をわかりやすく図解し、種類や仕事内容・年収までまとめてご紹介いたします。

※当記事は不動産会社のミカタ『【図解】不動産業界とは?種類や仕事内容をわかりやすく解説』を転載しています。

【図解】不動産業界とは?種類や仕事内容をわかりやすく解説

不動産業界の根本は意外とシンプル!

特に就活生やこれから不動産業界に転職しようと考えている方は是非参考にしてください。

先にお伝えしておくと、不動産業界というのは建築・不動産テックなども絡んでくるため、人によって解釈がかなり異なります。

管理を不動産業と呼ぶ人もいれば、仲介を不動産業と呼ぶ方もいます。(現役の不動産従事者でも見解はそれぞれ異なります)

不動産業界というのを理解するのにあたり、「人によって解釈が異なる」という点も覚えておくとよいかもしれません。

それではさっそく解説していきます。

不動産業界とは?

不動産業とはその名の通り、不動産を扱っている事業者を指し、全国に34万社※あるとされています。(※不動産流通推進センターの統計集より)

不動産業界を大別すると、

・不動産売買

・不動産仲介

・不動産管理

・不動産賃貸

に分かれており、すべてを総称して不動産業と呼ばれています。

 

 

不動産と聞くと「売買仲介」「賃貸仲介」のイメージが強いですが、

・法人・個人が不動産投資・運用を行うために設立した会社

なども不動産業に該当します。

経済産業省の公表しているデータによると、日本全国にあるすべての法人の数が約421万社。そのうち34万社が不動産業ですので、多くの会社が何かしらの形で不動産に携わっていることがわかります。

【覚えておこう】混同しやすい不動産業と宅建業

不動産業の中には宅建業というものがあります。

宅建業は

・不動産売買

・売買・賃貸仲介

を行う業者を指します。(宅建業自体を不動産業と認識している方も多いです。)

ざっくりですが、

・販売・仲介する会社は宅建業者

・管理や貸し出しをする会社は不動産業者(宅建業者ではない)

と覚えておくとよいでしょう。

宅建業者は全国に約12万社あるとされており、売買手数料・仲介手数料をもらうことで成り立っています。

宅建業には「宅建業法」という法律があり、宅建業法に違反すると「指示処分」「業務停止処分」「免許取消処分」といった処分を受けることもあります。

※余談ではありますが、「不動産業自体を取り締まる不動産業法」というものは存在しません。

【図解】不動産業界の開発・流通・管理を覚える

不動産業界をさらに深く理解するためには、不動産がどのような流れで動いているのか把握することが一番です。

下記は不動産が流通するための主な流れです。

ここで見るべきポイントは★マークのついている

・デベロッパー(開発)

・売買・賃貸仲介業者(流通)

・管理会社(管理)

です。 この3つを抑えておけば扱っている物件の違いこそあれど、どの不動産会社もいずれかに当てはまります。

上記の図を元に解説いたします。

デベロッパー(開発)

デベロッパーは土地を仕入れ、ゼネコン・建築会社と協業し、マンション・アパートの建設はもちろん、商業施設や都市開発などを行い販売もしくは貸し出す業態です。

土地の仕入れから始まり、建物の建設などを行うため莫大な資金力が必要なため、財閥系を中心とした大企業がデベロッパーとして活躍しています。

(メモ )床面積30坪程度の土地付き2階建て住宅を2000~2800万円程度の価格で分譲する建て売り業者をパワービルダーといいます。

売買・賃貸仲介業者(流通)

不動産仲介は不動産の売買・賃貸の仲介を行う業態です。不動産の流通を担うポジションであり、業界の代表的な業種と言えます。

売り手(貸主)と買い手(借主)を結びつけるのが仕事で仲介手数料をもらうことを事業としています。

※売主の代わりに販売代理を行うケースもあります。

デベロッパーとは違い、仕入れをすることがないため小資本で行うことが出来ますが、競合他社が多いのも特徴です。(独立開業の多い業種)

仲介の中でも「売買仲介」「賃貸仲介」があり、さらに細分化すると、戸建ての仲介、ワンルーム仲介など、不動産事業者によって主軸とする物件が異なります。

賃貸管理会社(管理)

めの集客を行ったり、入居者へのフォローや集金業務なども行います。

どの地域にもポツンとたたずむ不動産会社があると思いますが、多くの場合はこの管理業務を主事業としています。 管理事業だけでなく、仲介業務も行っている会社が多いです。

管理は不動産管理からすると安定した売り上げに繋がりますが、一方で大幅な収入は見込めないため、管理×仲介を行う企業も珍しくありません。

 

不動産業界の種類は多岐に渡る

・デベロッパー

・仲介業者(売買・賃貸)

・管理会社

3つに大別しましたが、さらに細かく分類していくと様々な種類があります。

ここが不動産業界がややこしく見える大きなポイントです。

以下は不動産業界の業態と種類の一部を大分類・中分類でまとめたものです。

中分類の下にはさらに、「ワンルーム」「中物件」「新築」など、細かく分かれていきますが、根本の「デベロッパー(開発)」「仲介(流通)」「管理」という部分は変わりません。

就活生であれば、大分類・中分類の順で理解すると、どのような会社なのか、入社後どのような業務を行うのか理解できるでしょう。

・デベロッパー×仲介

・仲介×管理

といったように複数の事業を行っている会社もあります。特に仲介×管理は一般的です。

さらに詳しく知りたい方は、不動産業界を分かりやすく可視化した不動産業界マップをダウンロードの上、ぜひご活用ください。

不動産業界図解マップ

 

不動産業界の仕事内容・年収

ここからは業種別の仕事内容と各業種別の代表的な企業の年収を含めてご紹介いたします。

デベロッパー(開発)の仕事内容と年収

1.不動産仲介業者から土地情報をもらう

2.土地を買う

3.土地の上にマンション・アパートを建てる

4.お客様を見つける

5.成約

デベロッパーは不動産業界の花形ともいえる業種ですが、現場はかなり泥臭く、不動産仲介業者に飛び込みを行い土地情報をもらうことから始まります。

この土地情報を元に、持ち主である地権者を交渉を重ね、土地を手に入れることを用地取得と言います。地権者が複数いる場合など用地取得は困難を極めることもあります。

また、コネや会社のネームバリューもかなり影響してくる業種です。

ちなみにさまざまな施設の企画・開発を総合的に行い、街づくりに取り組むデベロッパーを「総合デベロッパー」、特定の建物の開発を行うデベロッパーを「専門デベロッパー」と呼ぶことがあります。

代表的な企業

・ヒューリック

・日本商業開発

・三菱地所

・三井不動産

・住友不動産

・東急不動産

・野村不動産

年収

画像引用:【最新】デベロッパー業界で年収の高い企業ランキング|企業の事業内容、特徴も解説

不動産業界でもかなり高い年収を期待できます。

不動産売買仲介(流通)の仕事内容と年収

不動産仲介は、一戸建て住宅やマンション、アパート、土地などの売買を仲介する仕事です。「売りの仲介」「買いの仲介」に分けることができます。

それぞれの仕事内容は下図の通りです。

売買仲介の場合はチラシ巻き(集客)から決算まで多岐に渡ります。大手以外の場合はこれらの業務を営業マン一人で行うことも珍しくありません。

営業スキルはもちろん、民放・税金といった幅広い知識が必要となるため、学べる幅は不動産業界でもTOPクラスです。

代表的な企業

・三井のリハウス(三井不動産リアルティ)

・住友不動産販売

年収

売買仲介は、系列や規模によって年収に幅があります。

インセンティブの割合も会社によって異なりますし、中にはフルコミッション(完全歩合)の会社もあります。

目安としては年収600万円程度、トップセールスであれば2,000万円は目指せます。

会社によって風土や文化が異なりますので、自分の性格や求めるものによって志望企業が変わってくるでしょう。

※中には数字を上げないと人扱いされない企業もあります。

系列別の売買仲介の年収や会社風土は別ページにそれぞれ解説しています。

・大手

不動産業界図解マップ

・銀行系列

不動産売買仲介(銀行系列)のメリット・デメリット!年収は?

・町・地場の不動産会社

町・地場の不動産売買仲介会社メリット・デメリット!年収は?

・ゼネコン系

不動産売買仲介(ゼネコン系)のメリット・デメリット!年収は?

・住宅メーカー系

不動産売買仲介(住宅メーカー系)のメリット・デメリット!年収は?

・私鉄

不動産売買仲介(私鉄)のメリット・デメリット!年収は?

・FC(フランチャイズ)

不動産売買仲介(FC)のメリット・デメリット!年収は?

・ワンルーム(物上げ業者)

不動産売買仲介(ワンルーム)のメリット・デメリット!年収は?

賃貸仲介(流通)の仕事内容と年収

賃貸仲介は、部屋を貸してほしい人と、空いている部屋を結びつける仕事です。よく駅前などにあり、利用したことのある方も多いのではないでしょうか。

賃貸仲介の主な仕事内容は

・物件掲載

・問い合わせ対応

・カウンターセールス(提案)

・内見立ち合い

・契約書作成

となり、新規開拓がなく、ほぼ反響営業ですので未経験の方でも就職・転職しやすい業態と言えます。

代表的な企業

・アパンショップ

・ミニミニ

・ピタットハウスなど

年収

賃貸仲介の場合は300万円~500万円が年収の目安となります。

・客付け賃貸仲介の仕事内容と年収を徹底解説!

客付け賃貸仲介の仕事内容と年収を徹底解説!

管理の仕事内容と年収

管理会社といっても「自社の管理物件」「委託された管理物件」なのかで大きく異なります。

※自社の管理物件をもっている企業は大手が中心のため、本ページでは地場の不動産会社の仕事内容を中心にご紹介いたします。

管理会社の主な仕事は、

1.オーナー開拓

2.オーナーフォロー

3.客付け賃貸対応

4.借主対応(集金業務など)

派手さはないものの、コツコツとした堅実な仕事ぶりが求められます。

管理を任せてもらうので、オーナーとの信頼関係を維持するのも大きなポイントです。

代表的な企業

・東急住宅リース(自社物件をあまり持たない)

・大成ハウジー(自社物件をあまり持たない)

・大東建託(自社物件が多い)

・レオパレス(自社物件が多い)

年収 300万円~500万円以上

・不動産管理・自社物賃貸仲介の仕事内容と年収を徹底解説!

不動産管理・自社物賃貸仲介の仕事内容と年収を徹底解説!

 

独立が多いのも不動産業界の特徴

不動産業界は年間5,000社以上が開業する独立しやすい業界です。

特に不動産仲介に関しては3ヶ月の実務で働き方を学んで独立してしまう人もいるほどです。

一方で廃業する会社も年間5,000社あり、競争力がない企業は淘汰されていきます。

※新設される企業・廃業する企業をあわせるとほぼ横ばいの状態が続いてます。

自分の力に自信があり、将来独立したい人にとっては魅力的な業界と言えます。

独立前に読んでほしい不動産開業ブログ5選【体験談やリアル】

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不動産開業を決めたら行いたい21のこと【準備と注意点】
https://fudousan-koko.jutaku-s.com/article/detail/148

不動産業界が「独立しやすい」と言われる3つの理由
https://fudousan-koko.jutaku-s.com/article/detail/146

不動産売買仲介業者が独立して失敗するよくある2つのケース

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まとめ

・不動産業界とは人によって解釈が異なる

・不動産業には大家・オーナーも含まれる

・不動産業を理解するためには「デベロッパー(開発)」「仲介(流通)」「管理」を覚える

・不動産事業は細分化すると膨大な数になるが、突き詰めていくと上述の3つに分類される

【図解】不動産業界とは?いかがでしたでしょうか。

今回大まかな部分をご紹介いたしましたが、不動産業界にはほかにも「買取・再販」「競売」「空き家」など業種があります。

ただし不動産業界の根本は「デベロッパー(開発)」「仲介(流通)」「管理」です。

ここさえ覚えれば、あとは枝葉のようなものです。

就活生であればぜひこのあたりを理解し、就職活動の参考にしてください。

※不動産業界マップも是非参考にしてみてください。

不動産業界図解マップ

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※当記事は不動産会社のミカタ『【図解】不動産業界とは?種類や仕事内容をわかりやすく解説』を転載しています。

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