「相続実務士」の資格を生かした事例を紹介します。(一般社団法人 相続実務協会 代表理事 曽根惠子)

●相続の専門チームを創設、自社物件が売れたA社

マンションデベロッパーのA社は、今まではサラリーマン向けに投資用のマンションを開発、販売してこられました。セミナーで集客して、融資をつけて販売することで順調に売り上げは達成してきたといいます。
しかし、ここ数年は土地の仕入れ価格が高騰し、いままでのような利益が出なくなったことから、あらたな業務の柱とするべく、社長が相続実務士の養成講座を受講し、資格を取得されました。
相続実務士の可能性を実感したA社は、社長命令で優秀な営業マンを3名選抜し、養成講座を受けさせ、相続実務に特化した専門部署を立ち上げました。さらにA社は、相続相談の効率があげられるように相続実務協会の推奨する「相続対策提案ツール・ほほえみ」も導入、本格的に相続に取り組むようにされました。
相続実務士になったメンバーは、お客様に今までは提案してこなかった相続の話題を切り出すことができたといいます。そしてA社の得意分野である区分マンションの節税効果も説得力が出て、とんとんと2物件の契約ができたのです。
この成果をきっかけとして、A社はさらに相続実務士を2名追加し、6名で相続に力を入れていく方針だということです。

●不動産部門新設の柱に相続を

設備機器会社のB社は多くの顧客へのサービス提供のため、不動産部門を新設することになり、その柱として相続を扱っていくことにしました。そこで不動産コンサルティングを持つ専務と宅建取引士の営業担当が相続実務士となり、顧客へアピールを始めました。
するとほどなく相続が発生したお客様からご相談があり、つぎに生前対策をしたいというお客様からもご相談があり、両方ともに有料業務につながったのです。
B社ではこれからも継続して顧客にアピールをしていくと前向きに取り組んでいます。

このように、A社、B社ともに相続実務士となり、業務に相続を取り入れることで仕事の成果を上げることができています。
相続実務士は試験を受けて終わりではなく、実践的な業務につなげられる資格だと言えます。