地震と地震保険の問題点

VOL 22 発行日:2022.12.12
先月、このメールマガジンで「地震の揺れを推定する方法」をお伝えいたしました。その後いろいろな方のお話を聞くと、地震保険に関して多くの問題があることがわかりました。今回は、その一部をお伝えいたします。
NBC日本橋ビジネス資格教育センター ニュース・豆知識

火災保険と地震保険料が値上げ
火災保険が、今年大きく値上げされました。地域によっては値下げされた県もありますが、大阪府や宮崎県は15%から25%近くの値上げです。地震保険も同様で、茨城県、埼玉県、徳島県、高知県などは、30%近い値上げとなっています。これには、近年自然災害が多くなったため損害保険会社の経営が厳しくなっていることが原因とされています。
ここ50年の自然災害の発生件数は、約1.4倍となっています。この傾向は世界的な問題であり、今後ますます自然災害のリスクは高まるとされています。地震も首都直下型、東海・東南海・南海地震のはいつ起きても不思議ではありません。その対策として損害保険があるのですが、実はここにいくつもの問題が発生しています。
悪質な保険申請代行会社
災害の後に保険の求償のため申請をしますが、この申請は個人でも出来ないわけではありませんが、書類申請が面倒であることや、保険会社から委託されくる保険鑑定人によって、満足いく保険金が受け取れないことがあります。特に地震保険では、調査で認定するためには、保険の知識だけではなく、建物の知識も必要です。
そこで、保険申請代行業者が増えています。その代行業者には、安心して任せられる会社もなくはないのですが、悪質な業者も多く存在しています。この代行業者は、どこから利益を得ているかといえば、実は支払われるべき保険金から30%以上の手数料をとっているのです。しかも自社で被害調査をするわけではなく、下請けの調査人にわずかな費用を払うだけです。損害保険会社もこの事実を懸念しています。そのためブラックリストの代行業者による申請は、より厳しい査定をせざるを得なくなってしまっています。
保険加入者の立場での、保険調査が必要
建築や災害に関する専門知識があれば別ですが、一般の個人がこうした証明文書を作成するのはとても困難です。それにもかかわらず、文書の内容は認定される保険金額に大きな影響を与えてしまいます。これは火災保険・地震保険という商品(サービス)が構造的に内包する問題点です。
そこで、日本橋ビジネス資格教育センターでは、建物検査士に加えて地震保険調査士の開講をしています。
関連資格:建物検査士