マンション・開発・経営

JR東日本と伊藤忠商事、不動産で戦略提携 子会社統合を協議、沿線×商社網で「総合デベ」へ

 JR東日本と伊藤忠商事は12月23日、不動産事業分野における戦略的提携に関する基本合意書を締結したと発表した。両社は、JR東日本子会社のJR東日本不動産(JERE)と、伊藤忠商事子会社の伊藤忠都市開発(IPD)の経営統合に向けた協議を進める。鉄道のリアルなネットワークと商社のグローバルな商流ネットワークを掛け合わせ、不動産事業の飛躍的成長を目指す。

 提携の狙いは、JEREが手掛けてきたJR東日本グループ沿線を中心とした不動産の取得・開発と、IPDが推進する分譲住宅「CREVIA」ブランドや賃貸不動産開発を融合させる点にある。JR東日本グループの「信頼」というブランド力に加え、首都圏および新幹線を軸とする鉄道ネットワーク、社有地などのパイプライン、新駅設置を含む交通ネットワーク強化や大規模まちづくりの知見、顧客接点を活用する。

 一方、伊藤忠グループはマーケットインの視点に加え、開発・企画・技術力、住宅事業ノウハウ、一気通貫の不動産バリューチェーン、総合商社としてのビジネスネットワークを強みとする。これらを組み合わせ、独自性を持つデベロッパー像を描く。

 JR東日本側は沿線開発に加え、都心部を含む「マチナカ」での不動産取得・開発を進め、回転型ビジネスの加速と顧客接点の拡大、資金の再投資による成長加速を狙う。伊藤忠側は、分譲住宅に加え、駅を核にした住まいと商業の複合的な大規模開発や、鉄道集客とセットの沿線開発を視野に入れる。従来では実現し得なかった付加価値を生み出し、両社グループの不動産事業成長を加速させる「エンジン役」を担うとしている。

 また、駅・街といった生活インフラを起点に、新サービスやライフスタイルの創出、地方におけるアリーナ・エンタメ施設など「目的地」開発による交流人口拡大、工業団地による新産業創出など、地方創生への貢献も打ち出す。将来的には国内で磨いたモデルを、伊藤忠の海外ネットワークを活用して海外展開する可能性も示した。

 不動産以外でも協業を検討する。JR東日本グループのSuicaに代表されるリアル・デジタルの顧客接点と、伊藤忠グループの生活消費分野のノウハウ・ネットワークを相互活用し、社会課題の解決や新たな付加価値創造につながる事業領域を模索する。