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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(11月4日~11月10日)

Pick Up!

  • 大和ハG、物流企業の統合で効率化と体制強化図る
  • 野村不と温故知新が提携しホテル事業領域の強化・拡大へ
  • 諸戸の家がアルマーニとコラボ、8億円超の建て売り供給

 1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事を3つピックアップしていきます。

 まず、「大和ハウスグループ、傘下の物流会社4社を統合(2025/11/6配信)」をご紹介します。同社Gの物流関連企業・若松梱包運輸倉庫が傘下の3社を吸収合併する形で統合。大和ハウスGは、先週ピックアップした「大和ハウス工業、住友電設の完全子会社化へ株式公開買い付けを開始(2025/10/31配信)」のほか、「大和ハウスグループ、米国子会社がアラバマ州の住宅会社の事業買収(2025/11/5号)」のように、直近でも積極的にグループの拡大を図っていますが、一方で傘下企業の統合・再編で組織の最適化も進めています。特に、事業・業務の効率化が極めて大きな課題となっている物流分野では、バックオフィス機能や運行管理の統一化は実践の効果・優先度とも高いと言えるでしょう。社会の変化が速度を増す中、規模や事業領域の拡大と併せて、グループの総合力を最大限発揮するためにも、業界他社も含めてこうした動きは今後一層加速していきそうです。

 次に、こちらは提携のニュース。7位の「野村不動産と温故知新、資本業務提携を締結(2025/11/7配信)」です。野村不グループでは野村不動産ホテルズとUDSがホテル事業を展開していますが、「グループの成長の一翼を担う重要な事業の一つ」と位置付け、直営ホテル事業の領域拡大に強い意欲を示しています。背景には、もちろん近年のインバウンド観光客による宿泊施設需要があります。とはいえ、多様なエリアや施設タイプへの新規参入には相応の労力と時間を要します。他方、温故知新は地域の魅力を生かし、ユニークな宿泊施設をプロデュースすることで知られる企業。ビジネス拡大の好機に、ノウハウと個性を持つパートナーと提携することで、迅速かつ効果的な事業拡大を図る動きと考えられます。業界大手の新たなアプローチに、競合ディベロッパーだけでなくホテル・旅行業界からの注目も集まった結果のランクインとも言えるのではないでしょうか。

 最後に、5位の「諸戸の家 目黒に8億円超の建て売り アルマーニと新築戸建て初のコラボ シリーズ化で展開も視野に(2025/9/30号)」を取り上げます。目を引くキーワードが散りばめられた記事タイトルもあってか、紙面記事から上位に入りました。諸戸の家は、東京・名古屋で高級戸建て分譲事業を展開していますが、今回の物件は特に高級志向の強い商品です。世界的に知られる故ジョルジオ・アルマーニ氏によるインテリブランドを採用し、立地と共に富裕層への訴求力を前面に押し出した、同社の高級戸建て分譲企画の集大成的なモデルとなっています。戸建てはマンションと異なり、富裕層の投資対象としても高く評価されるハイエンド物件は、大手ディベロッパーなどの事例もあるもののまだ十分な数が供給されておらず、幾分ニッチながら開拓余地の大きな市場と思われます。精密なマーケティングと高度な企画力、顧客獲得、販売力など、ハードルの高さも想定されますが、今後もこの分野の供給・注目度が高まっていく公算は大きいでしょう。

 

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アクセスランキングトップ10 (2025年11月4日~2025年11月10日)