住宅・不動産業界のキャリアアップサイト「不動産ココ」に掲載されている資格の生まれた背景や魅力などを、主催する団体トップに聞く「トップインタビュー」。
一般社団法人 全国住宅産業協会の理事・組織委員長 松﨑 隆司氏(㈱サンセイランディック代表取締役)に「不動産後見アドバイザー」について語ってもらった。

■この資格はどのような経緯で生まれたのか?

住宅・不動産事業者の「後見制度と不動産」に関する知識向上を目的として、黎明期より「市民後見人養成講座」を運営していた東京大学教育学研究科生涯学習論研究室と、平成26年より共同研究を開始。 会員向けにセミナー等を行っていたところ、会員から「資格にしてほしい」という声を多数いただき、平成29年より「不動産後見アドバイザー」資格講習会としてスタートさせました。
その後、会員外からの受講希望にこたえる形で、令和元年に一般の方も受講できるように門戸を広げ、令和3年からはオンライン受講も可能としました。

■資格の魅力や資格の活用法の場は?

社会的に高齢化が進む中、不動産オーナーや地主の方々も高齢化が進んでいる状況にありますが、 一方で、判断能力が不十分な方との契約に対応できる住宅・不動産事業者が少ないと感じています。 講義は、後見制度の基礎、住宅・不動産との関連部分、各種法令、対応事例説明等、多岐にわたります。 また、判断能力が不十分となった後の成年後見だけでなく、その前段階の任意後見の講義もあり、 より幅広い範囲で、業務に関連する知識習得が可能です。
講師には東京大学教授、司法書士、福祉事業者、後見制度に明るい不動産事業者等がおり、2日分の講義を集中受講することで、判断能力が不十分な疑いのある方・高齢者等への住宅・不動産関連のサポート、物件管理、相談・取引へのスムーズな対応が可能となります。

■資格の今後の展望について

将来的には国家資格化をとの声もいただいていますが、まずはより多くの方に受講いただいて「後見制度と不動産」について幅広く理解してもらうことが大切です。
その後、「不動産後見アドバイザー」の登録リストを、各地域の方が検索できるようにし、一般の困っている方々が後見制度と不動産について相談できるようにすることを目標にしています。

■資格取得を考えている方へのメッセージ

これからさらに超高齢化が進む中、「後見制度と不動産」について相談・対応できる人材が必要になります。「不動産後見アドバイザー」資格講習会を受講することで理解が深まり、業務だけでなく親族や身の回りの方への相談対応にも役立ちます。また、資格取得後は「フォローアップ研修」を通じ、深堀した事例等について、より深く学習することができます。

■その他、団体の活動は?

今回のような共同研究のほかにも、政策活動・提言、体系化された多種類の会員向けオリジナル研修、各委員会主催のセミナー、業界内情報発信、優良事業表彰等、より幅広い交流を希望される事業者の方には魅力的な活動を行っています。

(2021.11.1)

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