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社説 改正住宅セーフティーネット法 民間賃貸活用は大きな前進

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 通常国会で成立した改正住宅セーフティネット法が今秋にも施行される。この法律は「住宅の量の確保から質の向上に」目標を転換した06年の住生活基本法に続き、低所得者など住宅確保要配慮者に「安全で安心な」住宅を確保することを目的に07年に制定された。今回の改正では、要配慮者の対象を低所得者だけでなく被災者、高齢者、障害者、子供を育てる家庭まで広げると共に、民間賃貸住宅への円滑な入居を図るため、新たに要配慮者専用の賃貸住宅登録制度を設ける。併せて家賃補助と登録住宅を確保するための改修費用の補助も行う。

 これまで住宅弱者、住宅確保要配慮者への対策といえば、公営住宅を活用した対応が基本だったが、地方公共団体はどこも財政の余裕がなく、現在は増設が難しい状況にある。その意味で、民間賃貸住宅の活用に踏み込んだのは、現実的な問題解決策として大きな一歩だ。その民間賃貸住宅は空き家問題が深刻となっていても、家賃滞納や居室での死亡事故などへの不安から、要配慮者は敬遠される傾向が続いていた。

 今回の改正法は、そうした手詰まりの状態にある要配慮者対策に風穴を開ける画期的な制度だ。要配慮者の対象枠を広げることで家賃補助などの制度の恩恵を受けられる人が増える一方、家主側にも家賃保証や改修費用の補助が受けられることで、登録住宅に前向きになれる仕組みだ。従来以上に「生存の基盤」である住宅を確保できる要配慮者が増えるだけでなく、家主層も安心して貸し出せると共に、事業を通じた社会貢献という満足感を高められる。

 昨今は、少子高齢化と人口減少が進む一方で、経済格差の広がりも目立つ。残念ながら当面、住宅確保要配慮者が減少していく状況は予想できない。住生活基本法は、「社会資産としての良質な住宅ストックの形成」「良好な居住環境の整備」「住宅流通の円滑化」「居住の安定の確保」という4つの理念を示しているが、最も求められるのは、社会の安定につながる「居住の安定」である。

 今回改正では、民間賃貸住宅を提供する新たな受け皿として、地方公共団体、宅建業者や家主などの不動産関係団体、居住支援団体などからなる「居住支援協議会」を設立することを定めた。介護や生活支援などの福祉系事業者も構成員に加わる。その協議会運営の中核として期待されるのが、登録住宅の確保から情報提供、賃貸あっせんなどの機能を担う不動産関係団体である。

 業界団体の中には、自治体と組んで高齢者や障がい者などへの賃貸住宅のあっせん・管理で実績を積んできたところも数多く存在する。これから本格化する住宅確保要配慮者への対応は、そうした地域の不動産事業者が真価を発揮すると共に、実効を上げ、大いに存在感を示す好機である。

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