今週の住宅新報 住まいニュース

長期マンション」広めたい!
「外配管」重要性強調
階高など事業性への配慮も
福岡に本社を置く福永博建築研究所(福永博所長)が中心となった「300年住宅コンソーシアム」は、09年度第1回の長期優良住宅先導的モデル事業の選定を受けた。建物の長期利用を実現するために、共用の設備配管(排水立管など)を専有部ではなく共用部に設ける「外配管方式」を提案したもの。いわゆる「スケルトン・インフィル工法」をシステム化したものだ。それを採用した第1号物件「ブライト・サンリヤン別府(べふ)シールズ」(福岡市城南区、総戸数41戸、事業主=西日本鉄道)は、周辺相場よりもやや割高な価格設定ながら、順調な売れ行きを示している。「次の世代まで長期に渡って住むことができる魅力を、理解していただけているようだ」と同研究所では話している。
現在のマンションは、タワー型以外は排水立管を専有部内に設ける配管系統(内配管)がほとんどを占める。外配管にした場合、排水立管までの床下配管(専有部)に傾斜を付けなければならないため、より深い床下空間が必要になる。その空間が、高さ規制のあるエリアでは事業上のネックになってしまう。タワー型の場合はそれほど高さを気にしなくて済むため、この外配管が進んでいるようだ。
通常、配管の更新期といわれるのが30〜50年程度。内配管だと更新時期に専有部の壁や床を壊す必要があり、本格的な工事も必要になるので改修が進まないケースも多いという。いくらコンクリート躯体の耐用年数が長くても、「配管の寿命が建物の寿命」と言われるゆえんだ。
同研究所の提案は、「長寿命の意義」だけを唱えるのではなく、ディベロッパーの採用が進むように事業性に配慮したことも特徴だ。それは、排水立管を廊下側とバルコニー側の2カ所に設けることで実現した。
2方向に分散させることで、1方向だけの場合よりも床下配管の傾斜を緩めることができる。その分階高を取る必要がなくなるため、高さの制限が緩和されることにつながる。また、パイプスペース(PS)ボックスとPSプレートをシステム部品化することで、コストを落とす工夫も施した。
この外配管の技術提案ブースを、300年住宅コンソーシアムが福岡市内に開設。ディベロッパーやゼネコン関係者が数多く見学に訪れている。第1号物件以外にも、山口や博多など3カ所で事業が進行中。「外配管を業界のスタンダードにしたい」と意気込みを見せる。
福永博建築研究所の連絡先は、電話092(714)6301。

50周年記念で2商品発売
環境配慮住宅を推進
鉄骨系、新断熱工法標準に
環境配慮に力を入れている積水ハウスは9月1日、創立50周年を記念して、プレハブ戸建て住宅2商品を発売した。鉄骨系の「ビー・サイエ」と木造住宅「ザ・グラヴィス」で、特に鉄骨系では、新たな断熱工法〝ぐるりん断熱〟を採用した。一般的な断熱では、柱や梁部などで断熱が薄くなり、途切れるケースがあるのに対し、〝ぐるりん断熱〟では、天井、壁、床の断熱材がムラが少なくつながる点が特徴。壁では鉄骨と木の桟の間にも使用し、床の根太も断熱材で包み込んだ。すき間ができやすい天井裏の梁下などには専用寸法の断熱材を使用した。
一般的な住宅と比べて、冷暖房にかかる光熱費と二酸化炭素排出量をそれぞれ約35%削減する効果があるという。
同社では、「ビー・サイエ」に加え、9月1日以降に発売するすべての軽量鉄骨系戸建て住宅商品で、同断熱工法を標準採用する。
また、新たに型式認定、製造者認定を取得し、柱や耐力壁の強度を向上させた。これを生かして、室内外に連続性を持たせた空間「スローリビング」を提案する。
価格は3・3m2当たり60万円から。月間250棟の販売を見込む。
木造の「ザ・グラヴィス」は、今回新たに型式認定を取得したもの。(1)耐力柱「スーパーコラム」(2)デザイン性に配慮した耐力壁「あらわし格子耐力壁」(3)高剛性屋根「パイルドルーフ」を取り入れ、間取りプランの自由度を向上させた。
また、断熱仕様では、次世代省エネルギー基準3.地域(東北エリア)の断熱仕様よりも性能が高い「アップグレード断熱仕様」を標準設定した。更に、ドアを閉めても通気できる「通風玄関ドア」や「通気シャッター」などを提案する。
価格は、3・3m2当たり65万円から。月間の販売目標は50棟。

東急電鉄がシニア住宅
東京・大岡山で富裕層向け
東急電鉄は9月から、東急大井町線・目黒線大岡山駅徒歩1分の場所で、介護付き有料老人ホーム「東急ウェリナ大岡山」(東京都大田区)をオープンした。健常者から重度の要介護者までを対象とし、「東急のグループ力を活用したホスピタリティあふれる生活サポート」(同社)が特徴の物件だ。規模は、健常者対象の一般居室が111戸、介護居室が54戸。健常者向けの住戸タイプは50m2台〜150m2台。ボリュームゾーンの約65m2タイプの入居一時金は9000万円台(年齢ごとに設定あり)。その他、施設管理費や食費、ヘルスサポート費などを合わせた月額利用料として28万8300円(1人入居の場合)が必要となる。東急沿線を中心とした富裕層にターゲットを絞る。
介護居室には、「24時間見守り体制」が必要と判断した時に移ってもらう。いつでも移れるように、一定数の部屋は同社が確保。一般居室の入居者は、別途費用の負担なく介護居室に移ることができる。最初から介護居室を希望する場合は、入居一時金を3000万円台に設定する予定だ。
介護居室については、要介護者3人に対して職員を2人配置。また、一般居室者への「安心・安全体制」も充実させ、東急病院を中心とした協力医療機関との提携、健康維持サポートサービスのほか、看護師が24時間常駐。居室には数カ所、24時間対応の緊急コールボタンを用意する。水道の使用状況で、入居者の異常をスタッフに知らせる機能も付けた。なお、毎日の食事は東急ホテルズと連携するなど、東急グループ一体となった生活支援サービスを提供する。
8月下旬の段階で、一般居室111室のうち2割強に申し込みが入っている。平均年齢80歳で、女性の単身者が多いという。
シニア住宅事業は、同社にとって初めての試み。旧東急病院跡地開発(新たな東急病院は物件に隣接して建設)として、08年に事業部を発足した。12年には東急線旗の台駅前で2弾目を開業する予定だ。都市生活創造本部シニア事業部長(東京急行電鉄執行役員)の天沼基氏は、「時代ごとの要請に応じて、住みやすく安全で便利な街づくりを進めてきた。沿線にお住まいの高齢者の方々に、今後も住み続けていただくための街づくりは1つの使命だと考える」と話した。