住宅新報Web
住宅新報から記事を検索     

今日のニュース 住宅新報
 
 
ニュース
本
資格
セミナー
コンサル

ブログ

広告掲載

住宅ローン金利表

読者コラム

現代不動産用語事典

記事データベース

採用情報

新聞購読のご案内

新聞購読のご案内

ニュースを読む
今日のニュース 新報ダイジェスト バックナンバー 特集コラム
column_title (2008. 4. 29号)
住宅ローンのリスク説明
 
2008年4月15日号に、「サブプライム」の教訓という記事がありました。

ご存じのように、サブプライムローン問題は、いまだ収まっておらず金融機関における損失は一体どこまで膨らむのか、はっきりとしていません。

ご存じの方が多いかとは思いますが、そもそもサブプライムローンとは、米国で利用されているローンの一つで、信用力が低い低所得者の人々向けのものを言います。このローンには自動車ローンやクレジットカードなどがありますが、現在問題になっているのは、「サブプライム住宅ローン」。サブプライムローンは、低所得者層を対象としていることから、返済が滞るリスクを考慮して金利は高く設定されてあります。ただし、低所得者は高金利のローンをいきなり返済するのが困難なため、当初数年間の金利は低く設定され、徐々に金利が高くなる仕組みになっています。

現在のサブプライムローン問題とは、アメリカの住宅価格下落によるサブプライムローンの焦げ付きを発端としています。ただ、それぞれのローン焦げ付きだけに留まらず、サブプライム住宅ローン債権を証券化し、様々な投資商品に組み込まれているため、はっきりとした損失が分かりにくいというところが、問題になっているわけです。

ここまでは、周知のことと思いますが、今回この記事に注目したのは、サブプライム住宅ローンの販売についての記述があったからです。

サブプライム住宅ローン販売の現場では、「簡単にお金が借りられます。2,3年後に値上がりした住宅を売却すればローンを返済できてなお儲かります」というセールストークで売られていた他、融資会社に提出する所得証明書や貯蓄残高証明書の偽造などで、ローン審査をパスさせていたケースも見られたようです。

日本ではどうでしょう?サブプライム住宅ローンの販売の様子までとはいかなくとも、売上を立てるために、ややスレスレの行為を行った営業マンも少なくはないのではないでしょうか?

住宅ローン審査は現在、バブル期に比べ、確かに厳しくなっています。ただ、対企業向け融資需要が、最近の原油高や物価上昇などで、やや冷え込んでいる一方、「住宅ローン」融資は、回収確実性が対企業融資に比べて高い、いわば優良融資先といえます。その「住宅ローン」融資の獲得のため、各金融機関は様々な工夫を凝らしている状況です。一方、不動産販売の状況をみると、地価上昇がやや落ち着いたとはいえ、いまだ高止まり感は否めず、その価格上昇に一般消費者が追い付かず、低迷しているという様子。

しかし、いくら不動産価格が上昇しようとも、不動産の販売業者としては住宅を販売していくのがお仕事ですから、物件の良さを伝えるのはもちろんのことですが、住宅ローンの使い勝手の良さや低金利もひとつのツールとして、少ない牌をひとつでも多く、成約に結び付けるためがんばっていらっしゃるのではないでしょうか?

私は「住宅購入をしたい!」とおっしゃるお客様がいらっしゃるのであれば、その営業活動を否定するつもりはありません。むしろ、そのお客様の夢をかなえるために、あらゆる可能性を考えて、住宅購入のサポートに尽力していただきたいと思っています。ただし、問題は、きちんとローンの内容を伝えているか…ということです。

住宅販売の現場では、変動金利のみ、または2年、3年の短期固定金利のみのローンでの提案になることもあるかとは思いますが、それぞれの金利のカタチのメリット・デメリットなど、十分に説明してお客様に理解してもらうことは、結果として営業マン自身の身を守ることにもつながります!

日本版サブプライムローン問題の発生…なんてことにならないよう、心からお祈り申し上げます(合掌)。



いとうみき

1977年生まれ。鳥取県米子市出身。 外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、不動産仲介業の営業を経験。 現在は株式会社優益FPオフィスにて、定期刊行誌などへの執筆業務のほか、 セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!