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「豊かさ」と資産のバランス その2


3、不動産の「有効活用」の意義とスタンス
生活投資資産の多くを占める不動産も、あくまで生産力を持ってはじめて資産として機能するのであって、すでに農作物の生産力も無く、先祖より引継ぎ、守っておられる広大な農地や、山林、土地等、安易に売却する事すら出来ない不動産は、残念ながら、今や単なる遊休資産となり、ましてや、豊かさへの貢献は殆ど見られない状態と成り果てているケースが余りにも多い。

これらを計画的に目的を持って、売却、活用、運用できる状態にしてこそ、はじめて「豊かさ」へのステップとなる有効資産へと成り得ます。

お客様への「有効活用」の提案に当たり、ただ単に活用利回りや、マネーフローを目的とした提案するのではなく、あくまでお客様の、中、長期的展望の中で目指されている「豊かさ」への構築の一環として機能し、実現化に役立つものであれば、それが「真の有効活用」として貢献した事にも成ります。

つまり「不動産の有効活用」とはこのような目的と。顧客志向を持って、はじめて媒介と提案の機能も評価されるのではないでしょうか。

4、誰にでもある「豊かさ」を得る資格。
問題は、「豊かさ」のスケールであり、大きさであります。

人それぞれが、それなりの将来に対するライフデザインがあるように、毎日の生活状態も費用も、進捗状況も異なります。従ってその先にある、求める「豊かさ」も、今の「豊かさ度」も異なっているのも当たり前でしょう。

ただ、それが与えられた「豊かさ」か、自分が永きにわたり、企画遂行してきた成果の「豊かさ」なのかどうか、によって又その評価も変わってくるでしょう。

要は、自己実現を目標として、得た「豊かさ」はそのスケールは別としてありがたく、尊く、美しいものではないでしょうか。小さくても先の4つの資産 がバランスよく機能し、ファミリーが明るく、楽しく、元気に生きがいを持つ事が出来れば、それこそ最高の「豊かさ」ではないかと思います。

何十億というスケールの中で得られる「豊かさ」もあれば、数千万円、何百万円の世界とスケールの中での、身のある、実のある、素晴らしい「豊かさ」も、それなりに同じ価値をもつのではないでしょうか。

一昔の「お金持ち」しか出来なかった時代から、考え方一つで、誰もが「豊かさ」を共有できる時代になったと言えるのかもしれません。

5、喜劇俳優のチャールズ・チャップリンが言った名言、
「人間は、希望〔愛〕と、勇気と、そして Some money があれば、誰でも豊かになれる」。

以前、小泉総理大臣が、この格言を盛んに使っておられたのを思い出します。

人間ある程度の資産や、お金があれば、誰でも「豊かさ」を手に出来るのではないか。ただその「豊かさ」を掴むための、勇気ある行動と、愛をこめた希望と目標を持つ事が大切で、そこに、人それぞれの人間らしさ、生きがいが生まれてくる、と言っています。

「お金持ち」でないと「豊かに」なれない。「資産家」でないと「豊かに」なれない、の常識と概念は完全に否定されています。ただ、幾らかのお金、資産がないと、これも又「豊かに」なることも出来ない。どれくらいあれば良いのか、最低いくらは必要とするのかは、意見の分かれるところであります。

ただはっきり言えるのは、人様々な生き方、生きがいの中で、人それぞれのスケールと器があるように思われます。人それぞれに相応しい、資産があれば良い、とするならば何も夢のような「豊かさ」でなくても、自分に相応しい、自分らしい、自分達らしい「豊かさ」を、少なくともそれを基準とした、足がかりとした範囲内での目標と夢の中で、精一杯「豊かさ」に挑戦するのも良いように思います。

家族を愛し、夢と希望を持って、自分達らしく、元気で明るい、爽やかな「豊かさ」を求めるのは、現代に住む、私達に与えられた特権のようなものかもしれません。

もう、既に1次元的「豊かさ」の時代から、4次元的「豊かさ」に糸口と、目標を見出した私達日本人が、最も相応しい「豊かさ」を様々な形で、個性豊かに、日本人らしく「豊か」であるような、社会を構造することができれば、素晴らしいと思います。


田中 英之 (たなか ひでゆき)

1933年 京都生まれ、立命館大学法学部卒、三和銀行入行後、各支店長を歴任
1986年 FP専門会社「プラザ21」を設立
1987年 日本FP協会設立に参加、初代理事に就任
1998年 日本FP協会、副理事長、及び「プラザ21」社長を退任
1999年 FP教育研究所を設立、所長に就任、FP教育事業に着手
2004年(有)FP教育研究所、特別顧問
2006年(株)優益FPオフィス、相談役
著書・・・「快活人生アイデア集」DFP出版、「FPから見た災害対策」共著 日本FP協会出版、「FPビジネス進化論」近代セールス社出版