見えない危機、業界は大きなうねりの中に(住宅新報第3046号)新年号の第一面である。「人口減少社会」・「2010年問題」・「建築不況」・「ザブプライムローン」と厳しい話題がならぶ。
人口減少問題・2010年問題・超高齢化社会の始まりの年である。現在はその序曲にすぎない事を肝に命じなければならない。本当の人口減少は17年後にやってくる。団塊の世代が80代に突入した時期である。団塊ジュニアが50代となり、団塊ジュニア・ジュニアが社会人となる時期である。この17年間で限界村落が崩壊村落となり、限界都市が生じることになる。団塊世代の急激な減少により都市崩壊が生じる恐れがある。団塊ジュニア以降の世代を考え、17年以降を視野にいれた都市福祉政策が課題となる。都市政策と福祉政策の融合であり、行政主導の街作りからの脱却である。不動産関連企業として、都市福祉提案型の企業への脱皮が急がれる。また、限界村落の再生に向けた、農地法の改正提言を視野に入れた企業型農業への誘導も不動産関連企業としての社会的使命といえるのではないか。場当たり的な補助金政策では食料危機は回避できないのである。
耐震問題・建築基準法改正の影響を受けた建築不況は国家政策の稚拙さといわざるを得ない。しかし、200年住宅が必要なのであろうか、20年周期で日本が変わろうとしている時期に、住宅資本の固定化を図るべきであろうか?疑問が残る。なぜ、短絡的になるのだろう。住宅土地調査会長が福田康夫氏であったからとは考えたくないのであるが。日本の木造住宅は建替までの期間が短く、地域の変化に柔軟に対応でき、そのことが、土地活用・再生の原動力となって経済発展をしてきたことを思い起こしてほしい。このことが、100年後に遺恨を残す超高層マンションの乱立の再現にならないかが心配である。今、急がれることは地域のコミュニティの再生にほかならない。不動産関連企業として、地域の視点を持つことが最良の生き残り策であると考える。
ところで、サブプライムローン問題により日本経済も影響を受けている。しかし、本番はこれからである。サブプライムローンはアメリカの問題と思っていないか?日本にもサブプライムローンは存在する。旧住宅金融公庫のローン条件の緩和とステップ返済のつけがそろそろ顕在化しようとしている。構造的不況の中、返済額の急激な増加に耐えられない債務者が日本国内でも大量に出現するであろう。日本型サブプライムローンの破綻シナリオを検討すべき時期にきている。
また、不動産証券化商品の組替えが急激に行われている現状を見るにつけ、バブル前夜のような様相が見える。サブプライムローン証券と同様に黒い足音が聞こえるのは私だけであろうか?
不動産関連企業として注視すべきは医療・福祉の変化である。医療・福祉と社会資本である不動産との関わりである。2008年は診療報酬の改定時期である。後期高齢者の保険制度も変わり、介護療養型医療施設の廃止で23万床を削減されようとしている。高齢者が地域へ放り出されるのである。医療法人の賃貸事業参入や高齢者専用賃貸住宅制度の創設などその対応を急いでいる。日本の高齢化社会に対応するコミュニティをどう組成するか重要な時期である。
姥捨山のような高齢者専用賃貸ゲージは作ってほしくない。不動産関連企業は都市福祉提案型の企業として専門家としての対応を迫られるであろう。
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