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column_title (2007. 12. 18号)
民間競売制度
  あっというまに、師走となり、今年も残すところあとわずかとなってきました。

今年の不動産業界においては、都市圏での地価上昇傾向に沸きあがる一方で、
建築基準法改正の影響で、住宅着工戸数が低迷しているのに加え、
住宅価格の上昇に、若年層の購入体力が追いつききれない状況も生まれています。

平成20年度税制大綱の中にも盛り込まれた、
いわゆる200年住宅、長期耐用住宅の支援税制についての内容が固まりつつありますが、
税制の後押しを受けて、質の良い住宅が市場に出回り、市場が成熟していけば、
新築住宅にこだわらなくとも、良質な住宅を手にいれるための選択肢が
今以上に増えるといえるでしょう。

また、2007年12月4日号には、民間競売についての記事も取り上げられていました。
日本では、競売は裁判所が行っているので、
民間競売制度といわれてもピンとこないですよね。
しかし、記事によると、アメリカでは、51州のうち37州で、
裁判所の競売と民間競売が併存しており、さらにそのうち25州では、
もっぱら民間による競売だけが利用されているとのこと、です。
所変われば、当り前の制度なんですね。
現在、日本でも2年前から「民間競売制度」の導入をめぐって、
慎重に検討を重ねているところですが、どうやら難航模様のようです。

民間競売制度が実現すれば、競売費用の削減につながったり、
抵当権の設定段階で内覧協力義務を債務者に課す契約にしておけば、
入札前に競売物件を事前内覧することも可能になる等のメリットがある一方で、
裁判所の関与がないため、安定性を欠くというデメリットもあります。
アメリカにおける民間競売制度の状況について、インターネットで調べてみただけでも、
マイナスコメントが浮かび上がってきましたので、
全く問題がない制度というわけでもないようです。

ただ、民間競売制度が実現し、不動産業者の仕入れの選択肢が増えることで、
エンドユーザーが、良質の住宅を良質な価格で手に入れることのできる機会が増えれば…、
なんて考えてみたりもするのですが、
記事によると、2008年3月の検討期限を目前にした現在でも、
内容や実施の是非等々の政府としての方向性を公にできない状況であるようですので、
実現するにしてもしばらく先のお話になりそうです。

アメリカとは異なる日本独特の問題点も存在しますし、
単に規制緩和の流れだけにのった
不備ポイントが山積みな制度をスタートさせるよりも、
慎重に議論を重ねた、利用しやすい制度の創設を望みたいと思います。



いとうみき

1977年生まれ。鳥取県米子市出身。 外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、不動産仲介業の営業を経験。 現在は株式会社優益FPオフィスにて、定期刊行誌などへの執筆業務のほか、 セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!