2007年11月20日号に、定年後の夫婦2人の暮らし方という記事がありました。 これは、積水化学工業・住宅カンパニーの調査研究機関である住環境研究所が行った全国55歳以上の男女1000人を対象としてインターネットを通じて行われた調査結果について掲載されています。 高齢社会がさらに進行を続けている今日、ともすれば、「老後」を考えるにおいて、介護問題をクローズアップした議論がなされがちです。要介護発生率は、2005年の厚生労働省の調べによると70歳代後半で約15%、80歳代前半で29.9%となっており、平成18年簡易生命表による平均寿命(男性79歳・女性85.81年)と照らし合わせると、誰もが要介護状態になるといえるものではありません。 しかも、昨今の年金不安などの影響も加わって、「老後」に暗いイメージを持ちがちです。 確かに、万が一に備え、介護等の資金準備を行っておくことはいざというときに慌てないためにも、必要な準備ですが、「介護が必要となる」プラン以外に元気に健康に暮らしていくためのライフプランについて話あっておく必要があります。 今回、掲載された調査では、定年後の夫婦2人の暮らし方を意識や住まいのカタチなど、いろいろな観点からアンケート調査が行われているのに加え、現在の暮らし方についての意識、満足度についてのアンケート調査も行われています。詳しくは、住宅新報紙面でご確認いただきたいのですが、現在および定年後の暮らし方について、やはり男女で調査結果に意識差があることが如実に結果に表れています。 特に印象的だったのは、「定年後、配偶者へ求めること」についてのアンケート。妻は夫に「自分のことは1人でできるように」や、「地域、友人との交流を持ってほしい」など自立を求める一方、夫は妻に「健康で元気でいて欲しい」と健康に関する内容が多かったとのこと。 結婚して数年の私ですら思うこともありますが、お子様も独立し、仕事もご退職されるまでの長い道のりの中であれば尚更、「仕事だから…」とか「子供のために…」等々、ご自身なりの納得をつけて、夫婦お互いに我慢してきたこともあるでしょう。日頃のご相談の中でも、一つの事柄に対して、ご夫婦で意見が異なることは珍しくはありませんし…。 ひと昔前に比べ、一人一人の価値観は多様化し、既成の家族スタイルに執着する必要性も薄くなってきています。最近、「熟年離婚」なんて言葉も世に飛び交っていますが、長年、我慢をしあってきたのだから、「今後も我慢していけるだろう…」ではなく、改めて、お互いに感じていることを話し合ってみることが大切であると今回の調査は示しているように私は思いましたが、みなさんはどう感じますか?
いとうみき
1977年生まれ。鳥取県米子市出身。 外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、不動産仲介業の営業を経験。 現在は株式会社優益FPオフィスにて、定期刊行誌などへの執筆業務のほか、 セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!