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column_title (2007. 9.18号)
適切なメンテナンスが資産価値を保つ

2007年8月21日号の記事に、
自民党の「200年住宅ビジョン」を受け、
国土交通省が来年の通常国会に同ビジョン推進のための新規法案を提出することが載っていました。

同記事には、アメリカ、イギリスと日本の住宅の平均耐用年数を比較したとき、 世界一の長寿国である日本の住宅は、世界一短命である矛盾があるとされ、
その矛盾を解決するためにも住宅流通市場の形成が必要であると記載されています。

諸外国に比べ日本の国土は広いといえませんので、
その結果、一生に一度の大きな買い物とよくいわれるように、
住宅購入をするためには、長期ローンを組むなど、多額の資金調達が必要となります。
だから、購入した住宅は未来永劫自分のモノ的(永住型)感覚は強くなり、 将来的な売却まで視野に入れての住宅購入をされる方は多くはないと考えられます。

同号には全国宅地建物取引協議会連合会が行ったアンケート調査も掲載されていましたが、
50歳以上の持ち家希望者の6割超が住み替えを希望しないという結果となっており、
購入した住宅は未来永劫自分のモノ的(永住型)感覚の裏付けといってもよいでしょう。
その感覚から、「永住型」を強調した物件が発売されたり、
趣味嗜好を盛り込んだ住宅を建設したり、という動きにつながるのでしょう。

しかし、その一方で2007年9月11日号では、
東京カンテイの「分譲マンションデータ白書」によると、
1985年には、0.7%だった20年以上のマンションの流通シェアが昨年は43.3%にまで拡大しています。
住宅の質は年々向上していますので、一概に比較はできないとしても、
未来永劫自分のモノ的(永住型)感覚をもって購入したものの、メンテナンスの不十分さにより、
古くなって快適でなくなったから住み替える感覚の表れとも見ることもできます。

日本の国土が広くないということは、無尽蔵に住宅を供給できる環境でもないともいえます。
ここ数年で、住宅のリフォーム技術は格段に向上していますので、
中古物件を見違えるほどの状態にリフォームすることも可能です。
住生活基本法でうたわれているような流通市場の形成をはかることも大切ですが、
日本人の住宅に対する感覚の特性上、
せっかく購入した住宅、つまり資産だからこそ、「長く」そして「快適に」住まうことができるように
適切なメンテナンスを行うことの大切さを訴え、
かつ、国が住宅を社会的資産としてとらえるのであれば、
メンテナンスを個人個人の取り組みとしてとらえるだけでなく、
そのメンテナンスを国がバックアップする体制づくりをすることが大切だと私は思います。
その取り組みは、結果として良好な住宅の流通市場の形成につながっていくと思うのですが、
みなさんはどのようにお考えになりますか?




いとうみき

1977年生まれ。鳥取県米子市出身。 外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、不動産仲介業の営業を経験。 現在は株式会社優益FPオフィスにて、定期刊行誌などへの執筆業務のほか、 セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!