全宅連(全国宅地建物取引業協会連合会)が、菅総務大臣に対し、郵政民営化に際して 宅建業参入の範囲を限定してもらいたい旨要望した記事が、5月15日号(第3014 号)に 掲載されました。
要望の内容は(1)日本郵政株式会社の宅建業の業務範囲は子会社の保有資産の処分な どに限定して一般の不動産仲介業は行わない(2)郵便局株式会社の宅建業の業務範囲は 承継する資産の処分・新規開設による用地等の取得に限定して不動産仲介業全般を行わな い(3)郵便局株式会社の窓口ネットワークである全国の郵便局には宅建業を行わせない (4)郵政民営化法の趣旨に則り同種同業を営む不動産業者の利益を不当に害することの ないよう共存共栄業域確保に配慮すること、の4点です。現在保有する資産に関する処分 及び郵政事業に関する取引以外はやらないでもらいたい、という趣旨です。
郵便貯金及び簡保は約350兆円あり、本年10月から約2万5千の郵便局窓口で銀行 代理業務を行うことが予定されています。民営化により郵便局が様々な業態へその事業を 拡張していく流れの中、宅建業を行うことを規制する要望です。地方の特定郵便局には地 元の名士が関係しいていることも多く、社会人の給与や学生への仕送りを郵貯にしており、 そのままアパートの家賃等の引き落としに関連して仲介業務等を行われると、既存の宅建 業者には大きな影響を与えることは間違いないでしょう。しかし、自由競争や規制緩和の 風潮から、この要望が実現するかは不透明です。郵便局が銀行や保険を扱うのであれば、 宅建業を扱えないとするのは不自然ですし、規制するのであれば宅建業法で欠格事由とし て定める必要がありますが、これは時代に逆行しているといえます。
様々な業態で外資の参入があり、既得特権に胡坐をかいていては今までどおりの収益を 上げることはできない時代となっています。宅建業者も、宅建業のみならず建設業や管理 業を兼業するケースが増えてきています。13万を超える宅建業者の多くは従業員5名以 下の小さな会社や個人事業主です。複数の都道府県に事務所を構える国土交通大臣の免許 は全体の1.5%程度です。資本面で不安がある場合にも保険の代理店となり、住み替え という人生の節目に保険を見直す提案をしたり、引越しに際して業者を斡旋する、地元の 商店とタイアップして特典を付ける等々、生き残りをかけてプラスαの積極的な他業種へ の参入が必要となっています。
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